看護師の過去問
第103回
午前 問74
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問題
看護師国家試験 第103回 午前 問74 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(70歳、男性)は、肺癌(lung cancer)で骨転移がある。現在、Aさんは入院中であるが、積極的な治療は望まず「家で静かに暮らしたい」と在宅療養を希望し、24時間体制の訪問看護を利用する予定である。介護者であるAさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している。
退院前に、訪問看護師が行うAさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。
退院前に、訪問看護師が行うAさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。
- 訪問介護の利用を勧める。
- 家族全員の看取りの意思確認をする。
- 退院後の処置を習得するよう指導する。
- 相談にいつでも対応することを伝える。
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この過去問の解説 (3件)
01
訪問看護とは、主治医と連携して看護師が自宅を訪問し看護を行うことです。医療機器を使用しながらでも自宅で最後まで暮らせるように多職種と連携して療養生活を支援します。
Aさんはまだ入院中です。入院中であるため、現状ではAさん本人や妻、長男から在宅療養となった際の希望を聞いている段階、信頼関係を構築している段階だと思います。
1.この設問だけで、訪問看護が必要かどうかはわからないため提案すべきかどうかはわかりません。訪問看護では、社会資源の活用を支援することも大切な仕事です。Aさんに訪問介護が必要だと判断されれば提案してみることも必要です。
2.Aさんは肺癌で骨転移もある、積極的な治療を行わない方針のため、確実に最期のときに近づいていくことが考えられます。最期のときをどのように迎えるか、を家族だけでなくAさん本人にも意思表示ができる間に確認しておく必要があります。が、信頼関係を構築している最中に、入院中に確認する必要はないかと思います。
3.退院後にどのような処置が必要かどうかは、この設問からではわかりません。しかし、基礎疾患があるAさんにとって、健康状態のアセスメントが必要不可欠です。退院前に全ての処置を覚えてしまう必要はありません。
4.信頼関係を構築するためには、このような声掛けをまず行う必要があると思われます。退院後、「こんなことが起こると思わなかった!」と思うような出来事も増えると思います。その際にいつでも相談できる、という安心感を提供する必要があると思います。
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02
×不正解
訪問看護を利用予定ですが、訪問介護については家族がどれくらいAさんの介護ができるか、技術を習得できるかなどといった状況によります。また、AさんのADLなどの情報が少ないため、訪問介護が必要かどうかも判断が難しいです。よって、不正解です。
2 . 家族全員の看取りの意思確認をする。
×不正解
Aさんはまだ入院中で、家族は在宅で過ごすことを決めたばかりです。肺がん末期のAさんが在宅で過ごすということは、家族にも看取りの意志があることを確認しなくてはいけませんが、訪問看護師と家族が信頼関係を構築することが優先されるので、この選択肢が最優先にはなりません。よって、不正解です。
3 . 退院後の処置を習得するよう指導する。
×不正解
Aさんが退院してどんな処置が必要かこの問題文では分かりません。退院後にすぐに必要な処置があるかもしれませんが、現段階では指導すべきことの優先順位としては選択肢4より高くありません。よって、不正解です。
4 . 相談にいつでも対応することを伝える。
〇正解
Aさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している、という情報から訪問看護師として、Aさんとその家族との信頼関係を築くことが優先されます。
選択肢のような声掛けは信頼関係を築く初期の段階にする事が望ましいです。よって、正解です。
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03
以下、他の選択肢が不正解である理由です。↓
1 この設問だけでは、訪問介護が必要な状態かどうかは分かりません。回答としては不適切です。
2 終末期の訪問看護において、家族の看取りの意思を確認することは大切なことですが、この4つの選択肢で比較すれば、まず選択肢4のほうが優先度が高いです。
3 処置を習得するよう伝えることは、大切ですが、退院前にすべてを習得している必要はありません。訪問看護師が訪問し、自宅でできる処置を一緒に考え、習得してもらうことも訪問看護のポイントです。優先度で考えれば、選択肢4の方が高いため、3は不正解です。
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