看護師の過去問
第104回
午前 問7

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問題

看護師国家試験 第104回 午前 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

加齢によって衰えやすい機能はどれか。
  • 記銘力
  • 洞察力
  • 判断力
  • 統合力

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:1. 記銘力

加齢により、脳は神経細胞数が減少し、血流も減少します。

それにより、学習や計算、記憶、 短時間での情報処理、新しいことに対する処理能力等に必要な「流動性知能」が低下します。
一方、知識や経験に基づく理解や判断能力である「結晶性知能」はあまり低下することはありません。

1. →記銘力とは、新しい記憶を保持する力を指します。記銘力は流動性知能に含まれ、加齢により低下します。

2. →洞察力とは、物事や人の背景を推測する力を指します。結晶性知能に含まれ、加齢により低下しません。

3. →判断力とは、物事を正しく判断し、評価する能力を指します。判断力は、脳の前頭葉が機能することで働きます。加齢により、前頭葉の機能が低下することで、見当識や注意力を含む判断力が衰えることもありますが、著しく低下することは少ないです。

4. →統合力とは、複数の物事を合わせて一つにまとめる能力を指します。統合力は、過去の知識や経験によって獲得されるため、結晶性知能に含まれ、加齢では低下しません。

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02

正解は1です。

知能は「結晶性知能」と「流動性知能」に分類できます。
結晶性知能は、個人が長年にわたる経験、教育や学習などから得ていく能力のことです。
流動性知能は、新しい環境に適応するために、新しい情報を獲得し、それを処理・操作していく能力のことです。
結晶性知能は20歳以降も上昇し、高齢になっても安定していますが、流動性知能は10歳代後半~20歳代前半をピークに、その後は低下していくと言われています。(ホーンとキャッテル)

1:記銘力とは、新しく体験したことを覚える能力のことです。
加齢により、認知機能は少しずつ衰えると言われています。記銘力は流動性知能に分類されるため、加齢に伴い低下していきます。

2:洞察力とは、物事を深く鋭く観察する能力のことです。洞察力は、結晶性知能に分類されるため、加齢による影響は少ないです。

3:判断力とは、物事について個人的な判断をなすことのできる能力のことです。判断力は前頭葉が機能することで働きます。加齢により、前頭葉に機能が低下することによって、判断力も衰えることがありますが、著しく低下することは少ないです。

4:統合力とは、複数の物事を結びつけて考える能力のことです。統合力は経験することでしか身につきません。経験で得た能力は、加齢によって低下することは少ないです。

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03

正解は 1 です

1:○
記銘力は今あったばかりの出来事を記憶として留めておくための力で、年齢と共に誰しもが衰えていきます。

人は加齢と共に新しい物事を覚える力が衰えます。これは程度の差こそあれども自然なことです。
だからつい先ほどした話でも、その「話していたこと」を忘れて、再び同じ話を繰り返す、ということが起こるのです。

2:×
洞察力とは見えない物事を直感的に察し、判断する能力のことです。言葉の裏を読んだり、今現在目の前で起こっているわけではないことを予測したりする力です。

これは人によって元々持ち合わせている力の差はありますが、経験に基づいた判断を下すことが多く、加齢に伴い低下する割合は少ないです。


3:×
判断力は自分の希望や状況を踏まえて決断する能力です。
実際に判断を下すまでの時間は若い頃と比べて伸びますが、判断力そのものは認知症や脳血管疾患等でもない限りは著しく低下することは少ないです。

4:×
統合力は、複数の話を脳内でまとめ、理解する力です。
判断力と同じ様に結論を出すまでの時間は伸びますが、段階を踏んで理解している力はすぐには低下しません。

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