看護師の過去問
第104回
午前 問49
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問題
看護師国家試験 第104回 午前 問49 (訂正依頼・報告はこちら)
フローボリューム曲線を図に示す。
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の患者の結果はどれか。
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)の患者の結果はどれか。
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この過去問の解説 (3件)
01
フローボリューム曲線とは、肺機能検査の1つであり、息を吐くときのスピードと量の結果を表したグラフになります。気道の障害により特徴的な結果が得られるため、肺機能の診断に活用されています。
1 . ×
こちらは、健常者の結果となります。
2 . 〇
こちらは、慢性閉塞性肺疾患患者の結果となります。慢性閉塞性肺疾患の特徴的な症状である「息が吐きづらい」という結果がでています。
3 . ×
こちらは、病状の特徴ではなく測定ミスか意図的な検査の結果となります。
4 . ×
こちらは、異物や腫瘍等により上気道が閉塞されている場合に見られる結果となります。
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02
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来までは慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。
喫煙が主な原因とされ、喫煙者の15~20%がCOPDを発症すると言われています。
主な症状は、階段の上り下りや歩行時に息苦しさや息切れを感じる「労作時呼吸困難」や、慢性的に出現する「咳や痰」が特徴ですが、年齢的なものと勘違いしやすく、病院受診が遅れがちです。
一部の患者は咳風邪がいつまでも治らない、呼吸のたびに喘鳴がするなどの症状を自覚していることもありますが、それでも別の疾病と思い込み、なかなか肺に意識が向くことは少ないようです。
このCOPDの確定診断に利用されるのが、スパイロメーターと呼ばれる機器を使った呼吸機能検査(スパイロメトリー)です。
空気が漏れないよう鼻をつまんだ状態で、1回の呼吸で吸い込んだ空気をどれぐらいの量吐き出すことができるか(努力性肺活量/FVC)ということを測定します。
吐き出した空気の量だけでなく、「1秒間にどれだけの量を吐き出せたか(1秒率/%FEV1)」も診断の目安になります。
この検査結果として表示される空気の量が、グラフとして表示されるのがフローボリュームです。
閉塞性肺疾患の患者は気管支に全体に炎症が起きている状態なので、"吐き出す力"が低下しています。
そのため、最大限努力しても吐き出せる量が少なく、すぐに低下します。その上、慢性であればあるだけ、主だった気道も細くなっており、1秒間に吐き出せる量も少なく、吐き出し切るまでに長い時間を要します。結果、呼気時間が延長します。
この特徴が顕著に表れているフローボリューム表が選択肢2で、最大呼気量が全体の半分しかなく、少ない呼気がだらだらと続いている状態です。
症状の考え方としては、肺自体を風船と考えた際に、いくら沢山の空気を送り込んでも、硬くなった風船(炎症を繰り返し機能しなくなった肺)は大きくは膨らまず、またその風船から空気を抜こうとしても、細いストロー(炎症で狭く細くなった気道)では全ての空気が抜け切るまで時間がかかる、と考えればイメージがつきやすいかと思います。
ちなみに他の選択肢は、
選択肢1:正常。なにも特徴もなく、十分息が吐き出せている状態
選択肢3:測定ミス、あるいは検査の主旨が測定者に伝わっていないため、再測定が必要な波形。細く息を吐き出し続け、最後に早く息が吸いたくて肺の空気を吐き出し切ったような状態
選択肢4:特徴的な台形をしており、肺自体には障害はないものの、喉頭癌などの上気道または主気管支が閉塞している場合にこのような形になります。
参考
呼吸器の病気-慢性閉塞性肺疾患(COPD)-日本呼吸器学会
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=12
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03
健常者の場合は1 .のような波形を示すことが多く、上気道閉塞がある場合は4 .のような波形を示します。
問題にあるような、慢性の呼吸不全(喘息、COPD)で末梢気道が閉塞することにより、息が吐きづらくなる症状をもつ場合は2 .の波形を示します。
3 .の波形は意図的に行わないと出現しない波形です。
よって正解は2.となります。
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