看護師の過去問
第104回
午前 問53
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問題
看護師国家試験 第104回 午前 問53 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(52歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)で広汎子宮全摘術後に排尿障害を発症した。退院に向けて自己導尿の練習を開始したが、39.0℃の発熱と右背部の叩打痛が出現した。
Aさんの症状の原因として考えられるのはどれか。
Aさんの症状の原因として考えられるのはどれか。
- 膀胱炎(cystitis)
- 虫垂炎(appendicitis)
- 腎盂腎炎(pyelonephritis)
- 骨盤内膿瘍
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この過去問の解説 (3件)
01
1 . ×
膀胱炎は、頻尿、終末時排尿痛、尿混濁などの症状があります。大腸菌(グラム陰性桿菌)の逆行性感染で女性に多いことが特徴です。よって設問の症状とは異なります。
2 . ×
虫垂炎は、腹痛、食欲不振、発熱、嘔吐、下痢、下腹部痛などの症状があります。よって設問の症状とは異なります。
3 . 〇
腎盂腎炎は、一側性の腰背部痛、悪寒戦慄を伴う症状があります。また、背部の病側腎臓付近を軽く叩くと強い痛みを感じるCVA叩打痛がみられることも特徴です。
4 . ×
骨盤内腫瘍とは、骨盤の中に形成された腫瘍を指し、設問の症状とは異なります。
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02
1:×
自己導尿を行なっている対象の発熱の原因として、最も考えられるのは膀胱炎で正しいのですが、症状が(排尿障害がある以上、残尿感や排尿痛は知覚できないとしても)膀胱炎の典型的な症状の中でも、客観的に観察できる血尿や混濁尿ではなく「右背部の叩打痛」だという点に注目すると、膀胱炎よりも病状が進んでいると考えるほうが妥当です。
そのため、この選択肢は惜しいのですが、誤りです。
2:×
虫垂炎の症状は背部痛ではなく、右下腹部の圧迫痛(正確には圧迫をやめた際の痛み)のため、誤りです。
3:○
尿管へ侵入した細菌が膀胱へ到達すると膀胱炎、そしてそれよりも上部の腎へ感染した状態が腎盂腎炎です。
急性期の症状としては、熱発・悪寒・戦慄・腰背部痛・肋骨脊柱角の叩打痛・膿尿・尿からの細菌検出など。さらに症状が進み慢性期になると、微熱・軽度の腰背部痛・膿尿・尿からの細菌の検出などが症状として挙げられます。
設問にある症状は典型的な腎盂腎炎の急性期の症状であり、この選択肢が該当します。
4:×
骨盤内腫瘍とは、骨盤の内部に存在する臓器(子宮頸部、子宮体部、または子宮付属器、そのほか小腸、膀胱、尿管、骨格筋、骨等)の感染症の総称です。
設問内に症状として背部痛があるため、該当するとは考えにくいです。
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03
②39.0℃の発熱と右背部の叩打痛が出現した。
この2点がポイントになります。
自己導尿の影響として、 2 . 虫垂炎(appendicitis)及び 4 . 骨盤内膿瘍 は考えにくいため、除外できます。
これより、
1 . 膀胱炎(cystitis) 3 . 腎盂腎炎(pyelonephritis)
の2択となりますが、膀胱炎の主な症状は”頻尿””血尿or濁った尿”"残尿感の出現"が主であり、記載されている症状とは一致しません。一方、腎盂腎炎の症状としては、”高熱””腰・背部痛”が主体となります。
本場面は、自己導尿により細菌が膀胱に運ばれ、尿管を逆流し、腎臓に運ばれたことにより、腎盂腎炎を発症した例と考えられます。
よって、正解は3 . 腎盂腎炎(pyelonephritis)となります。
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