正解は 1・3 です
前頭葉とは、脳を真横から見た際、上部中心あたりにある”中心溝”よりも前、そして水平に割った場合の上2/3あたりまでの部位を指し、脳全体の30%を占める大きな部位です。
体の前面から順に前頭連合野(前頭前野とも)、ブローカー野、高次運動野、一次運動野に分かれており、ブローカー野は前頭連合野と高次運動野の間あたりに、中洲のように位置しています。
また、高次運動野はさらに細かく、補足運動野・運動前野・前頭眼野の3種に分類されます。
ヒトをヒトたらしめる高度な精神活動や運動機能を担っており、判断や思考、計画性、想像力、自我のコントロール、また発語や書字などの運動性言語に関わっています。
その機能や役割を理解することで、「障害された際の症状」が浮かび上がって来ます。
1:○
上記のとおり、前頭葉はその人の人格を構成する判断や思考、コミュニケーションなどに深く関わる部分です。
そのため障害を受けると、その人の人格的な特徴である判断の傾向や思考内容、言動などがガラッと変化したりします。
これを見た周囲は人格が変化したと感じ、人間関係に大きな影響を及ぼすことがあります。
2:×
失語症には運動性失語症と感覚性失語症があります。
感覚性失語とは、ウェルニッケ失語とも呼ばれ、「他人の話すことは理解できないが、自分が話すことはできる状態」のことをいいます。
側頭葉の感覚性言語中枢(ウェルニッケ野)の障害で、引きおこされることが多いです。
前頭葉の障害の場合、「他人の話すことは理解できるが、自分の思っていることを言語に表現できない状態」という運動性失語(ブローカー失語)が現れます。
3:○
前頭葉の、特に補足運動野に障害を受けると、自発的に何かを行おうとする意欲や思考力が低下し、自発性の欠如に繋がります。
注意力や他人への興味の低下・喪失もみられるようになります。
4:×
平衡感覚の機能に障害を起こすのは、運動機能に関わる小脳に障害を受けた場合です。
5:×
左右識別障害は頭頂葉に障害を受けた際に現れる症状です。
ゲルストマン症候群とも呼ばれ、左右の識別障害のほかに失書・失算・手指失認等がありますが、4つすべての症状が出る人は稀で、大体は部分的な症状に留まります。
アルツハイマー症候群と原因・症状ともに似ているため、区別がつきにくいと言われています。