看護師の過去問
第104回
午後 問215
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問題
看護師国家試験 第104回 午後 問215 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み、問いに答えよ。
Aさん(65歳、男性、会社員)は、午後2時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-3、瞳孔径は両側2.0mm。呼吸数18/分、脈拍60〜80/分、不整で、血圧176/100mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後4時、Aさんの頭部CTの所見で特に異常は認められなかったが、MRIの所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。
Aさんは心原性の脳梗塞(cerebral infarction)と診断され、入院後に治療が開始された。入院後5日、意識レベルがジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30まで低下した。頭部CTで出血性梗塞と脳浮腫とが認められ、気管内挿管・人工呼吸器管理を行い、マンニトールを投与してしばらく経過をみることになった。
この時点の看護で適切なのはどれか。2つ選べ。
Aさん(65歳、男性、会社員)は、午後2時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ-3、瞳孔径は両側2.0mm。呼吸数18/分、脈拍60〜80/分、不整で、血圧176/100mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後4時、Aさんの頭部CTの所見で特に異常は認められなかったが、MRIの所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。
Aさんは心原性の脳梗塞(cerebral infarction)と診断され、入院後に治療が開始された。入院後5日、意識レベルがジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30まで低下した。頭部CTで出血性梗塞と脳浮腫とが認められ、気管内挿管・人工呼吸器管理を行い、マンニトールを投与してしばらく経過をみることになった。
この時点の看護で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 電気毛布で保温する。
- 瞳孔不同の有無を観察する。
- 水分出納を正のバランスに管理する。
- Cushing〈クッシング〉現象に注意する。
- ベッドを水平位にして安静を維持する。
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この過去問の解説 (3件)
01
2.脳ヘルニアがあるため、瞳孔不同を早期に発見して対応するために、観察が必要です。
3.脳浮腫の軽減のために、出納バランスを観察することは必要となります。しかし設問にある様に、正のバランス(体に水分をためる)に保つことは脳浮腫をさらに増悪させる要因となるため、好ましくありません。負のバランス(体に水をためない)に管理する必要があります。
4.脳浮腫や出血性梗塞がある場合、症状の悪化に伴い急激な頭蓋内圧亢進による収縮期血圧上昇および徐脈(クッシング現象)が起きることが考えられます。きめ細かい注意が必要です。
5.脳浮腫があるため、頭蓋内圧の上昇を予防することが必要となります。そのため、頭位は水平より高くしなければ脳に血液がたまってしまうことになります。頭部は軽度拳上することが好ましいです。
よって正解は2と4です。
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02
1:×
体温調節中枢は間脳の視床下部に存在しており、今回の設問では特に障害された様子はありません。
そのため、特に低体温を引き起こすようなリスクはなく、電気毛布まで使用する必要はありません。
むしろ反対に過剰な血流を促し、梗塞部分周辺での出血を発生させてしまう可能性性もあるため、危険です。
2:○
出血や頭蓋内圧の亢進、それに伴う脳ヘルニアの可能性を早期に発見するために瞳孔の観察は不可欠です。
3:×
すでに脳浮腫が観察されており、これ以上の症状の進行は頭蓋内圧の亢進にも繋がります。
そのため、水分の”出納”よりも、間違いなく排尿があるかというマイナスバランスのほうを注意深く観察すべきです。
4:○
頭蓋内圧が上昇すると、脳内の毛細血管が圧迫され、血液の流入にそれなりの圧が必要となります。
脳への血流量を確保しようとして交感神経が刺激され、血圧が上昇し、脈圧(拡張期血圧と収縮期血圧の差)が拡大します。
すると、今度は頸動脈洞や大動脈弓などの圧受容体が刺激され、迷走神経反射により、心拍数が抑制、徐脈となります。
この一連の反応の流れをクッシング現象と呼びます。
脈圧の正常範囲は40〜50であり、Aさんは血圧176/100mmHgと、すでに脈圧が70もある状態ですので、クッシング現象としての徐脈が発生していないかを観察するのは必須です。
余談ですが、「クッシング"現象"」と「クッシング"症候群"」は全く異なるものですので、自分の中でしっかり区別をつけておきましょう。
5:×
安静を維持する必要はありますが、ベッドを水平にしていると、体内の水分と重力がそのままストレートに頭蓋内を圧迫してしまうため、血流が流れるのに抵抗がない程度に頭部を軽度挙上するのが望ましいです。
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03
急性頭蓋内圧亢進症状のある患者への看護になります。
1(✕)急性頭蓋内圧亢進症状の徴候として、中枢性の高熱があります。よって、電気毛布での保温は適切ではありません。
2(〇)瞳孔の異常の程度により、病巣部位と病態の進行が予測できる重要な観察ポイントです。
3(✕)脳浮腫があるため、水分出納は負のバランスに管理する必要があります。
4(〇)クッシング現象とは、急激な頭蓋内圧亢進により、血圧上昇と徐脈がみられることをいいます。
5(✕)頭蓋内の静脈還流を促すため、患者の体位はセミファウラー位とします。
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