看護師の過去問
第104回
午後 問219

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問題

看護師国家試験 第104回 午後 問219 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aちゃん(生後4か月、女児)は、4、5日前から鼻汁と咳嗽とが出現し、今朝から38.0〜39.0℃の発熱があり水分摂取が困難になったため受診した。検査の結果、RSウイルス抗原陽性で急性細気管支炎(acute bronchiolitis)と診断され入院した。入院時、口唇色と顔色はやや不良、呼吸数60/分、心拍数150/分、血圧90/52mmHgで、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。血液検査データは、赤血球480万/nL、Hb12.8g/dL、Ht39%、白血球12,000/nL、CRP5.5mg/dL。動脈血液ガス分析は、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58Torrであった。胸部エックス線撮影で肺野に異常陰影は認められない。

このときのAちゃんに準備すべき物品で優先度が高いのはどれか。
  • 加湿器
  • 酸素吸入器
  • 人工呼吸器
  • 酸素濃度計

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この過去問の解説 (3件)

01

1.✖
加湿は気道内分泌物の粘稠度を下げ、喀出しやすくするためには適切ですが、今回の事例では痰による気道閉塞が確認されていません。早急な対応が求められる状態ではないと考えられます。
2.〇
経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58Torrであるため、低酸素血症の状態を表します。
そのため、早期から酸素吸入が必要な状況です。
3.✖
呼吸数が確認できるほどの自発呼吸があると判断します。そのため、呼吸器の導入は適切ではありません。
4.✖
酸素濃度系は大気下における酸素濃度を測定する時に使用するものです。

よて正解は2です。

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02

正解は 2 です


1:×
診断が気管支炎のため、粘膜を保護する目的で加湿することも重要ですが、病棟の場合は気温と共に集中管理されていることが多いため、今回の設問では誤りとなります。


2:○
設問中に「経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%」とあります。
SpO2 とは、体内の赤血球に含まれるヘモグロビンと酸素が結合している割合を経費的に計測した値で、正常値は96~99%です。

Aちゃんの88%は確実に低酸素血症に向かいつつあるため、まずは酸素吸入を行い、体内に酸素を巡らせる必要があります。


3:×
水分補給はできないとあるものの、自発呼吸の有無については特記がないので人工呼吸器を装着する必要はありません。


4:×
酸素濃度計は、患者のバイタルサインを測定するものではなく、室内の環境としての酸素濃度を測定する器具のため、今回の場合全く必要性はありません。

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03

正解は2です。

Aちゃんの口唇色、顔色からチアノーゼが出現していることがわかります。経皮的動脈血酸素飽和度や動脈血酸素分圧からも、低酸素血症をきたしていると判断できます。

1(✕)優先度は高くありません。

2(〇)酸素吸入療法の適応はPaO₂50Torr前後です。

3(✕)人工呼吸器の開始基準は、酸素吸入療法を行ってもPaO₂が60Torr以下の場合などになります。

4(✕)酸素テントを使用する場合に必要です。



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