看護師の過去問 第105回 午前 問99

ノロウイルスは潜伏期間が24～48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛で、発熱は軽度です。これらの症状が１～２日続いた後、治癒します。

1 . 起座位をとらせる。
×不正解
側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしていることから痛みがあると予想できます。起座位になるのに痛みが増すので、楽な姿勢をとってもらうことが適切です。よって、不正解です。

2 . 食事の開始を検討する。
×不正解
経口摂取は昨日の昼食が最後で、5回の下痢便が出ていますが、末梢静脈ラインで補液しています。まだ腹部症状があるため、食事に関しては開始を検討する時期ではありません。

3 . 好きな玩具で遊ばせる。
×不正解
玩具でA君の気を紛らわせる事はできますが、腹痛があると思われるので、まず腹痛のアセスメントをする事が優先されるため不正解です。

4 . 痛みの程度を評価する。
○正解
「A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている」とあるので、腹痛があることが予想できます。

5 . 解熱鎮痛薬を服薬させる。
×不正解
痛みの有無と程度を先に評価する必要があるため、不正解です。

痛みがあるので、本人が楽な体勢を取ってもらいます。腹痛や消化器症状がまだあるので、食べられる状態ではありません。入院直後で腹痛もあるので、玩具で遊ぶのも不適切です。まずが痛みの程度を評価して、医師に報告し、内服などの指示をもらいます。

正解は４です。

ノロウイルスは体内に取り込まれた後、小腸中で増殖し激しい嘔吐、下痢、発熱、腹痛などの急性胃腸炎症状をきたします。
設問の事例では顔をしかめ、側臥位で膝を腹部に寄せ抱えとあり、腹痛症状が強く出現している状態であり、痛みの程度を評価することが優先されます。