看護師の過去問
第105回
午後 問204

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問204 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(63歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)にて胃亜全摘出術後3か月目に誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で緊急入院した。食物の通過や排便は問題なかったが、食事摂取量が少なく、術前より体重が10kg減少した。総義歯が外れやすく歯科を受診予定であった。
Aさんの肺炎(pneumonia)の原因として考えられるのはどれか。2つ選べ。
  • 消化管内容物の逆流
  • 義歯の不適合
  • 消化吸収障害
  • 吻合部狭窄
  • 腸閉塞

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この過去問の解説 (3件)

01

◎胃亜全摘術:胃癌による手術の一つで、胃の1/2~2/3を摘出する術式。術後の副作用として、下痢、逆流性食道炎、貧血、ダンピング症状、骨粗しょう症等があります。
1 . ○消化管内容物の逆流
→術後の副作用として、逆流性食道炎があり、食物が逆流して肺への誤嚥が生じた可能性があります。

2 . ○義歯の不適合
→義歯が合わない状況があったとの設問より、食物の咀嚼が十分でない事が考えられる為、嚥下した際の誤嚥が生じやすいと考えられます。

3 . ×消化吸収障害
→食物の通過や排便状況には問題がなかったとの記載から、消化吸収障害は生じていないと考えられます。

4 . ×吻合部狭窄
→術後に食物の通過は問題がなかったとの記載から、吻合部狭窄は生じていないと考えられます。

5 . ×腸閉塞
→術後の排便等の排泄には問題なかったとの記載から、術後のイレウス等は考えづらいです。

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02

正解は、1と2です。
○1 .消化管内容物の逆流
…胃切除後の患者は、胃の噴門部や幽門部の機能が術前と違い、妨げられるため、消化液が食道へ逆流することで誤嚥を生じる場合があります。
○2 .義歯の不適合
…体重が10㎏減少したという情報から、歯茎が痩せて総義歯が外れやすくなったことが考えられます。
合わない義歯を装着したままの食事摂取は、十分に咀嚼できないまま嚥下することとなり、誤嚥につながった可能性があります。
×3 .消化吸収障害
…消化吸収が障害されることで、食事内容物が消化されず食道へ逆流し、誤嚥した、という可能性は、食物の通過や排便には問題がなかったという点から低いと推測されます。
×4 .吻合部狭窄
…術後から緊急入院までの間に食物の通過障害はないとの情報があることから、吻合部狭窄はなかったと考えます。
もし吻合部に狭窄が生じていたのなら、食物の通りは悪くなり、嘔気や嘔吐が生じていた可能性があります。
×5 .腸閉塞
…術後から緊急入院までの間に排便に問題はなかったとの情報があることから、腸閉塞はなく、腸蠕動運動は正常であったと思われます。
もし腸閉塞が生じていたのなら、排便に支障が生じがちです。

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03

1 . ○消化管内容物の逆流
胃亜全摘出術後の合併症として、逆流性食道炎があります。胃内容物の逆流により誤嚥し、誤嚥性肺炎を引き起こした可能性があります。

2 .○ 義歯の不適合
義歯の不適合により咀嚼しにくく、十分に食塊できず、また嚥下機能も低下し、誤嚥の可能性があります。

3 .× 消化吸収障害
消化吸収障害とは消化と吸収の働きが低下し、食物中の栄養が十分に吸収されないことです。症状は下痢、貧血、体重減少などがあります。問題文から体重減少とあり、消化吸収障害の可能性はありますが、今回は肺炎の原因として考えられるのはどれかということですので、不適切と考えます。

4 .× 吻合部狭窄
吻合部狭窄とは胃と腸をつなげたところが狭くなり、食べ物が通過できず、腹部膨満や嘔吐などの症状が出現します。問題文から、食物の通過や排便は問題なかったと記述があり、不適切と考えます。

5 .× 腸閉塞
腸閉塞は胃や腸などの手術をした後に、癒着が原因で出現し、腹痛、嘔気、嘔吐、腹部膨満などの症状があります。問題文から、そのような症状の記述はないため、不適切と考えます。

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