看護師の過去問
第105回
午後 問233

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

看護師国家試験 第105回 午後 問233 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aさん(58歳、男性)は、妻(55歳、会社員)、長女夫婦および生後5か月の孫の5人で暮らしている。頸椎の後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)と診断され椎弓形成術を受けた。リハビリテーション病院に転院し2か月前に退院した。退院時から週1回の訪問看護を受けている。現在の症状は、下肢のしびれ、知覚鈍麻、筋力低下、上下肢の痙性麻痺および膀胱直腸障害である。移動は車椅子で、食事はリハビリテーション用のフォークを使用して座位で摂取している。排泄は家族に見守られながら尿器とポータブルトイレとを使用し、自分で行っている。

Aさんは1週前から排便がなく、センノシドを毎日就寝前に継続して内服している。訪問看護師が観察すると左腹部に便塊を触れ、腸蠕動音は微弱であった。Aさんは、2日間排便がないときはピコスルファートナトリウム水和物を適宜内服するよう医師に言われているが、以前に内服して下痢になったため内服していないと話す。
看護師のAさんへの提案で適切なのはどれか。
  • 「もう少し様子をみましょう」
  • 「下剤は2種類とも飲みましょう」
  • 「便意を感じたらトイレに座りましょう」
  • 「浣腸をしてもよいか医師に確認しましょう」

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。


1 . 「もう少し様子をみましょう」は✖
排便が一週間前からない状況で様子を見る対応は適していません。


2 .「下剤は2種類とも飲みましょう」は✖
センノシド、ピコスルファートナトリウムの2種類も飲むことで下痢を助長してしまいます。


3 . 「便意を感じたらトイレに座りましょう」は✖
膀胱直腸障害を生じているため便意がありません。このような方にする指導する内容としては適していません。トイレに2.3時間ごとに行くなど、タイミングを指導する必要があります。


4 . 「浣腸をしてもよいか医師に確認しましょう」は◯
内服薬での効果を得られないが、1週間も排便がないことはよくないため、浣腸する対応は適しています。

参考になった数3

02

正解:4
1、Aさんは1週間前から排便がないということなので、様子を見ることは適していません。
腸蠕動音も微弱であることから、医師に相談し、早めに対応することが必要です。

2、Aさんは「以前に内服し、下痢になった」と話しており、2種類内服することを心配していると考えられます。確かに2種類内服すれば、便秘は解消するかもしれませんが、心配しているAさんに2種類飲むようにすすめるのは適切ではありません。

3、Aさんは膀胱直腸障害による便秘だと考えられます。便意を我慢して便秘になったわけではないので、この提案は不適切です。

4、内服しても排便がないので、医師に相談して浣腸を行い、排便を促すことが最も適した提案だと考えられます。

参考になった数0

03

正解は4です。
便秘薬2剤を使用しても排便がない状態が続いているため、排便を促すための他の方法を医師に確認し、対応することが適切と考えられます。
便塊を触れている状態で腸刺激型の便秘薬の使用はすると下痢を引き起こしやすいため、浣腸が有効です。

1.「もう少し様子をみましょう」:通常毎日または2日に1回は排便があるリズムが正常とされている中、1週間ほど排便がない状態は患者さんにとっては苦しい状態です。
腸蠕動音も微弱であり、センノシドだけで改善は困難と考えられます。他に少しでも早く便秘状態を解消できる対応が適切です。
2.「下剤は2種類とも飲みましょう」:2種類内服後に下痢になったために内服していないと話されているため、詳しく話も聞かずに同じことを提案するのは適切ではありません。
3.「便意を感じたらトイレに座りましょう」:状況によっては有効な提案となりますが、文章上Aさんの場合は便意を我慢して便秘になったという状況ではないため、適切ではありません。

参考になった数0