看護師の過去問
第105回
午後 問235

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問題

看護師国家試験 第105回 午後 問235 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み、問いに答えよ。

Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。

昼間のAちゃんは体育館の中を走り回っている。また、指しゃぶりをしながら両親の姿を気にしているが、近づいて甘えようとはしない。
Aちゃんの反応で正しいのはどれか。
  • 自我同一性の拡散
  • 急性ストレス障害(acute stress disorder)
  • 外傷後ストレス障害〈PTSD〉(post-traumatic stress disorder)
  • 注意欠陥多動性障害〈ADHD〉(attention deficit hyperactivity disorder)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。


1 . 自我同一性の拡散は✖
災害による内容として適していません。アイデンティティが確立できていないことは、今回の場合は関係ありません。


2 . 急性ストレス障害は〇
災害は昨日に起きており、PTSDとは言えませんが、Aちゃんに起きている内容としてはストレス障害ですので、急性ストレス障害が適しています。


3 .外傷後ストレス障害は✖
PTSDは1ヶ月が経過してもこれらの症状が継続します。今回は災害は昨日に起きており、PTSDとは言えません。


4 . 注意欠陥多動性障害
注意が散漫になったり、物忘れが激しいなどの症状がある発達障害です。Aちゃんには当てはまりません。

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02

正解:2
1、自我同一性の拡散とは、社会的な自己定義(アイデンティティ)が確立できない状態のことです。自己は思春期に確立されるものなので、4歳のAちゃんには該当しません。

2、急性ストレス障害とは、強烈なショック体験や強い精神的ストレスを経験することが心のダメージとなり、生じる一過性の精神障害のことです。
土砂災害が起きたことにより、精神的ストレスを感じて、指しゃぶりや親に甘えようとしないという行動が出ていると考えられます。災害発生から1ヶ月未満なので、急性ストレス障害に当てはまります。

3、外傷後ストレス障害(PTSD)は急性ストレス障害と発生機序は同じですが、症状が1ヶ月以上持続している場合にPTSDと診断を受けます。今回の場合は1ヶ月未満であることから、当てはまりません。

4、注意欠陥多動性障害(ADHD)とは、「注意欠如・多動症(注意欠陥/ 多動性障害、注意欠如・多動性障害)」の症状があり、 自分をコントロールする力が弱く、それが行動面の問題となってあらわれる発達障害です。
Aちゃんはこの症状に該当しないので、不適切です。

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03

正解は2です。
災害発生後1ヶ月以内であり、指しゃぶり(退行)や不安定な両親の姿を気にして甘えを出せないというストレス反応がみられており、急性ストレス障害に該当します。

1.自我同一性の拡散:自分は何者か、というアイデンティティを確立できないことで、思春期の発達段階で、今回の反応は該当しません。
3.外傷後ストレス障害(PTSD):災害発生後から1ヶ月以上、ストレス反応の症状が継続するとPTSDに該当しますが、今回の状況は該当していません。
4.注意欠陥他動性障害(ADHD):不注意、多動性、衝動性の3つの症状がみられる発達障害のひとつですが、今回の反応は該当しません。

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