看護師の過去問
第106回
午前 問29

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問題

看護師国家試験 第106回 午前 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

膵液について正しいのはどれか。
  • 弱アルカリ性である。
  • 糖質分解酵素を含まない。
  • セクレチンによって分泌量が減少する。
  • Langerhans〈ランゲルハンス〉島のβ細胞から分泌される。

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この過去問の解説 (3件)

01

膵液とは、膵臓から分泌されるものです。
膵臓は、胃の裏側で腹膜の作る網嚢を隔てて腹膜の後ろに位置し、長さ約15㎝の細長い金槌型をした約70gの臓器です。強力な消化酵素を含む膵液(弱アルカリ性)を十二指腸に1日約1ℓ分泌(外分泌)します。
また、膵臓内に存在するランゲルハンス島からは、血液中のブドウ糖(血糖)を調節するホルモンである、インスリンとグルカゴンを血液中に分泌(内分泌)します。
膵液は、無色透明な液で、前述した通り、弱アルカリ性です。三大栄養素(タンパク質、脂肪、炭水化物)の消化酵素を全て含んでおり、タンパク質分解酵素トリプシノーゲン、脂肪分解酵素リパーゼ、炭水化物分解酵素アミラーゼなどがあります。

1.上記記述の通り、弱アルカリ性です。
  膵液には重炭酸ナトリウム(NaHCO₃)が含まれ、胃から送られてきた酸
  性の糜粥(びじゅく)を中和し、十二指腸ではpHを約6、空腸ではほとん
  ど中性にします。これによって、膵液や腸液の消化酵素の至適pHになりま
  す。この中和は、消化作用にとって不可欠な作用です。

2.糖質とは、つまり炭水化物のことを指します。
  炭水化物にはでんぷんが含まれます。でんぷんとは、ブドウ糖がたくさん
  集まったもので、つまり糖質です。炭水化物消化酵素である、アミラーゼ
  を膵液は含んでいます。

3.セクレチンは消化管ホルモンの一つです。
  膵液の分泌の仕組みは以下の通りです。
①食物を想像したり、見たり、においをかいだり、味わったりなどの刺激が、
 副交感神経の迷走神経を介して、胆汁や膵液を反射的に分泌させます。
②胃からの酸性糜粥が腸壁を刺激すると、消化管ホルモンがメッセージを送
 り、胆汁の排出や膵液の分泌が起こります。セクレチンは膵液の分泌を促す
 ホルモンです。

4.膵液は主に、膵臓の中にある腺房中心細胞というところで大量に生成さ
  れ、腺房腔というすき間に分泌されます。腺房腔は次第につながり、主膵
  管と合流し、膵頭部で総胆管と合流しファーター乳頭を経て、十二指腸に
  分泌されます。
  ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるのは、血糖を下げるホルモンで
  あるインスリンです。

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02

正解は 1 です。

膵液は膵臓から十二指腸に外分泌される弱アルカリ性の消化液で消化酵素を数多く含んでいます。

2、膵液には糖質分解酵素の他にもたんぱく質分解酵素、脂肪分解酵素が含まれています。
3、上部小腸粘膜から分泌されるセクレチンというホルモンによって膵液の分泌が促進されます。
4、ランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるのはインスリンです。

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03

正解は1です。
膵液は弱アルカリ性で、十二指腸へ分泌されます。胃から十二指腸へ強力な胃酸を含む食物が入ってくると中和します。

2.糖質分解酵素を含まない:膵液にはタンパク質分解酵素、炭水化物(糖質)分解酵素、脂肪分解酵素などが含まれています。
3.セクレチンによって分泌量が減少する:セクレチンによって、分泌が促進されます。
4.ランゲルハンス島のβ細胞から分泌される:分泌されるのは膵液ではなく、インスリンです。

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