看護師の過去問
第106回
午前 問99

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問題

看護師国家試験 第106回 午前 問99 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。Aさんは介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利用している。入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎( infectious gastroenteritis )が疑われてトイレ付きの個室に移動した。

発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージⅠの褥瘡が出現した。嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。
この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。
  • 壊死組織の除去
  • エアマットレスの使用
  • 撥水性の高いクリームの塗布
  • 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取

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この過去問の解説 (3件)

01

褥瘡のステージ分類にはさまざまな分類がありますが、代表的なものに、NPUAP(米国褥瘡諮問委員会:National Pressure Ulcer Advisory Panel)が挙げられます。
ステージⅠの褥瘡だと、「プラスチック板を押し当てても消えない発赤」です。皮膚の欠損はまだありません。

Aさんは下痢が続いており、

1 . 壊死組織の除去
×不正解
ステージⅠの褥瘡では壊死組織はありません。よって、不正解です。

2 . エアマットレスの使用
×不正解
Aさんは歩行器で室内を移動でき、トイレにも移動できています。現段階では可動性を妨げないウレタンフォームを使うことが勧められます。よって、不正解です。

3 . 撥水性の高いクリームの塗布
〇正解
下痢が続いていることで皮膚が湿潤している状況が多いことが原因と考えられます。撥水性の高いクリームを塗布することで下痢による皮膚の湿潤を防ぐことが、悪化させないために大切です。よって、正解です。

4 . 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取
×不正解
亜鉛欠乏が多くの場合低栄養と関連しており、それが原因で褥瘡になりやすい状況を引き起こしています。褥瘡管理において亜鉛の摂取は積極的に行う必要がありますが、効果が表れるまでに時間がかかります。
現在の褥瘡ステージⅠから悪化させないようにするためにできることとして、撥水クリームの塗布より優先順位が低くなるので不正解です。

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02

1に関してはステージⅠでは壊死組織の形成には至っていないので×です。

2はトイレ歩行もできている状態で、エアマットレスを使用する状態ではないので×です。

3は下痢が頻回で皮膚のバリア機能が低下したことでおきているので、撥水クリームの塗布は〇です。

4の亜鉛入りは逆効果で、下痢を誘発する恐れがあるため×です。

参考になった数0

03

正解は 3です。
1 . ステージ1の褥瘡の場合、壊死組織はできていません。
2 .トイレに歩行していっているため、エアマットレスは必要ありません。
3 .〇 下痢が続いていることから、皮膚の湿潤状態が褥瘡の原因と考えられます。皮膚を保護するためのクリームを塗布します。
4 . 亜鉛入りの栄養食品は下痢を引き起こす可能性があります。

参考になった数0