看護師の過去問
第106回
午後 問175

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問175 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(65歳、男性)は、肺気腫( pulmonary emphysema )で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ( influenza )にかかりました。今朝から夫も
体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。
訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
  • 喀痰の性状
  • 胸痛の有無
  • 関節痛の有無
  • 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。
肺気腫とは、慢性の気道閉塞を特徴とし、肺機能検査上、気道抵抗の増加、1秒量・1秒率・ピークフローの低下などを来す非可逆性の疾患です。発症や増悪には、加齢、喫煙、大気汚染、感染症(肺炎球菌やインフルエンザ菌)などが関与します。

1 .
喀痰の性状の観察も必要ですが、最優先ではないと考えます。

2 .
肺気腫が憎悪し咳嗽が頻回になり、胸痛が出現するリスクもありますが、これも最優先する観察ではないと考えます。

3 .
インフルエンザの感染により、関節痛の症状が出現することも考えられますが、優先順位は高くありません。

4 .
肺気腫はインフルエンザなどの感染症にて呼吸不全に陥りやすいです。呼吸不全になると死に至る場合もあるため、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の観察は重要です。

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02

肺気腫とは、閉塞性換気障害の一つです。閉塞性換気障害とは、何らかの原因により気道が閉塞して、気流が制限された状態のことを言います。肺気腫はその中でも終末細気管支より抹消の気腔が異常に拡大し、肺胞壁の破壊を伴う病態のことを言います。
近年では、慢性気管支炎と肺気腫は合併することが多いことから、COPDとしてまとめられています。最も大きな原因として、長期間に渡る喫煙が挙げられます。
主な症状としては、労作時の呼吸困難があります。
治療には禁煙指導はもちろん、薬物療法や呼吸リハビリテーション、在宅酸素療法(HOT)があります。特に低酸素血症のある重症例には、在宅酸素療法を行うと、QOLや生命予後が改善されるとされています。
この症例の場合、孫がインフルエンザを発症しており、Aさん本人も体熱感も見られるため、インフルエンザによるCOPDの急性憎悪の可能性を考えます。
急性憎悪とは、呼吸困難、咳嗽、喀痰の増加、喘鳴などの症状が悪化した状態を指し、原因は気道感染や大気汚染が多いです。一度急性憎悪を起こすと、その後も繰り返すことが多いとされているため、歯磨きやうがい、入浴など清潔を心掛け、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種を受けるなど、予防に努める必要があります。
在宅酸素療法を行っているため、普段から経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)のモニタリングを行う必要がありますが、急性憎悪の場合、呼吸困難などの症状が悪化しますので、呼吸状態の観察は必要です。

1.喀痰の性状も感染が加わると、普段とは変化がある可能性があります。

3.関節痛の有無もインフルエンザの場合の症状ではありますが、訪問看護師が確認する項目の中で、まず一番に観察しなければならないのは呼吸状態の観察が挙げられます。

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03

在宅酸素療法を施行しなければならない状態であることから、何よりも呼吸状態を把握することが大切です。
関節痛はインフルエンザの症状のひとつではありますが、確認の優先順位は高くありません。

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