看護師の過去問
第106回
午後 問219

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問題

看護師国家試験 第106回 午後 問219 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。
Aさんに生じやすいのはどれか。
  • 便秘
  • 腰痛
  • 静脈瘤

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この過去問の解説 (3件)

01

妊婦検診は妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週 から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から 出産までは週1回とされています。
Aさんは今妊娠8週目なので、次の検診は12週目になった時です。

1 . 痔
×不正解
妊娠により血液量が増える事、子宮が大きくなることで静脈が圧迫され、肛門周囲の静脈もうっ血してしまうことにより妊娠中の痔は起こります。
多く場合、子宮が大きくなる24週以降に起こるのでAさんに起こるとしても少し早すぎます。よって、不正解です。


2 . 便秘
〇正解
妊娠することによりホルモンのバランスが大きく変わります。妊娠初期に大切な黄体ホルモン(プロゲステロン)というホルモンは腸を弛緩させるので、腸の動きが鈍くなります。それが原因で、今まで排便習慣に問題がなかった人でも便秘になることがあります。
Aさんは妊娠8週で、次の検診時も12週と妊娠初期の段階です。よって、Aさんが最も経験すると思われる体の変化は便秘なので、対処法を指導しておくとよいです。よって、正解です。

3 . 腰痛
×不正解
妊娠中期以降、胎児が大きくなると、母体が体のバランスを保とうとすることもあり、腰痛はよく起こる妊娠中のトラブルです。
12週だと胎児の大きさは10~15gなので、まだ腰部に負担を与える大きさではありません。よって、不正解です。

4 . 静脈瘤
×不正解
静脈瘤は妊娠した女性の約1割に起こると言われています。原因は子宮が大きくなることで静脈がうっ血しやすいことにあります。太もも、膝の裏側、陰部などに起こります。起こる時期は子宮が大きくなる中期以降(6~8か月)が多いといわれています。
Aさんにはまだ起こる可能性が低いため、不正解です。

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02

妊婦健診は妊娠23週までは1回/4週、妊娠24~35週では1回/2週、妊娠36週~分娩までは1回/1週の間隔で受診します。Aさんの次の健診は4週後、妊娠12週ということになります。

1.痔は妊娠末期に起こりやすいマイナートラブルです。規則的な排便習慣を保持し、便秘を予防することが大切です。さらに、入浴を頻回に行い、骨盤内の血行を促進し、肛門の清潔を保つ必要があります。

2.主にホルモンの影響で弛緩性便秘(腸蠕動が不活発となるために起こる便秘)が起こりやすくなります。妊娠初期~中期の間からみられるマイナートラブルです。規則的な排便習慣を保持したり、繊維分の多い食品や水分を多く摂取したり、適度な運動を心掛けたりします。あまりに症状がつらい場合には医師に相談し、緩下剤などを処方してもらう場合もあります。

3.妊娠末期に、胎児や子宮が大きくなり、おなかが大きくなるに伴って重心が前に移動することで、腰背部に負担がかかるために起こります。脊柱をまっすぐに保つよう姿勢の改善をしたり、かかとの低い靴をはき、脊柱を垂直に保つようにすると良いでしょう。

4.妊娠後期に起こりやすいマイナートラブルです。子宮の増大によって、下半身の静脈還流が妨げられるために、静脈が浮き出てくる症状を言います。男性ストッキングの着用やマッサージや入浴、下肢を挙上すると良いでしょう。

参考になった数0

03

1.✖
子宮増大による血行不良・便秘・運動不足などが原因で、妊娠後期に痔になりやすいです。

2.〇
妊娠によるホルモンバランスの変化で腸蠕動運動が鈍くなり、便秘になりやすいです。

3.✖
腰痛は妊娠週数が増え、子宮増大や体重増加により、重心が前方へ移動するなど腰部への負担が増すことで発生しやすくなります。

4.✖
妊娠中に血液の総量が増え、さらに子宮増大により下大静脈を圧迫するので、特に下半身から心臓へ還る静脈血の流れはますます悪くなります。

参考になった数0