看護師の過去問
第106回
午後 問223
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問題
看護師国家試験 第106回 午後 問223 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。
産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。
Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。
産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。
Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。
- 左腋窩に冷罨法を行う。
- 乳房マッサージを行う。
- 3時間ごとの授乳を勧める。
- 左乳房での授乳を中止する。
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この過去問の解説 (3件)
01
○正解
副乳にも血流が増加して腫れが出てきていると考えられます。よって、腫れを抑え、痛みを緩和するために冷罨法をすると良いです。
よって、正解です。
2 . 乳房マッサージを行う。
×不正解
乳房の緊満は母乳量の増加や乳房内の血流とリンパ液が増えることで起こります。
乳房マッサージをすることで、痛みの緩和になる事がありますが、副乳の痛みには無効です。
よって、不正解です。
3 . 3時間ごとの授乳を勧める。
×不正解
新生児は胃の大きさがとても小さいため、頻回な授乳が必要です。目安としては2時間毎です。
新生児の体重は出生時より100g軽くなっていますが、生理的体重減少で4%程度なので問題の無い範囲です。
新生児が乳首を吸啜することで母体からプロラクチンが放出され、母乳が作られます。Aさんは「乳房は緊満している」ということなので、母乳は問題なくつくられています。頻回の授乳で緊満が多少解消できます。よって、不正解です。
4 . 左乳房での授乳を中止する。
×不正解
乳房、乳頭共に問題はない状態なので、左乳房での授乳を中止する必要はありません。
また、Aさんは「乳房は緊満している」ので、授乳を中止すると、乳腺炎を起こしてしまう可能性があります。また、中止することで、母乳量が減少してしまうこともあります。よって、不正解です。
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02
1 . 左腋窩に冷罨法を行う、は〇
左わきに副乳(通常の乳房の他にも乳房が出来る状態。脇の下から正常乳頭を通り太ももに至る弓なりの線上に見られます。)があり、冷罨法をすることで張りを抑えられます。
2 . 乳房マッサージを行う、は×
母乳マッサージによりさらに母乳が生成されてしまいます。Aさんには副乳があり、排出する部分がふさがれた状況ですので、どんどん母乳が蓄積されてしまい副乳がひどくなることが考えられます。
3 . 3時間ごとの授乳を勧める。は×
赤ちゃんが欲しがるタイミングで与えることは大切です。
4 . 左乳房での授乳を中止する。は×
授乳をやめると母乳が蓄積されてしまい、副乳がひどくなることが考えられます、授乳は積極的に行う必要があります。
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03
副乳も胸の乳腺と同様に、妊娠授乳期に発達します。Aさんの「腫れて痛い」との訴えから冷罨法を行い、乳腺炎へ移行しないようにします。
2.✖
乳腺はあるのに出口がない副乳の場合、マッサージによる刺激で母乳分泌が促され、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。
3.✖
Aさんは母乳育児を希望しています。特に時間は定めず、児が欲しがるだけ与えてよいといえます。
4.✖
左乳房での授乳を中止すると、母乳分泌が滞る可能性もあるため、中止する必要はありません。副乳には冷罨法を行い、授乳は継続します。
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