看護師の過去問
第106回
午後 問234
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する（ここをクリック）」 をご利用ください。
問題
看護師国家試験 第106回 午後 問234 （訂正依頼・報告はこちら）
Aさん（23歳、男性）は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症（ heatillness ）と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。
既往歴：特記すべきことはない。
身体所見：ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。
検査所見：Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。
Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。
既往歴：特記すべきことはない。
身体所見：ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。
検査所見：Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。
Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。
Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。
- 水分を制限する。
- 蛋白質を制限する。
- 積極的に運動する。
- 生野菜を積極的に摂取する。
正解！素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 （3件）
01
１．誤り。血液透析により、腎機能は徐々に回復しており、時間尿量が100ml以上あることから、水分制限の必要はありません。
２．正解。腎機能は徐々に回復していますが、クレアチニンは1.4mg/dL（男性のクレアチニン基準値は1.00mg/dL以下）と通常とを比較すると腎機能は低下している状態です。退院後も蛋白制限の食事を継続する必要があります。
３．誤り。腎機能が低下している状態での過度な運動は腎臓に負担をかけるため、控える必要があります。
４．誤り。腎機能が低下している状態ではカリウムを多く含む生野菜の摂取は控える必要があります。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
急性腎不全
何らかの原因で腎臓の機能が急激に低下して、体の水分バランスや血液中の成分バランスが保てなくなった状態です。
腎機能障害が重度の場合は、血液透析を行います。
食事療法として、低蛋白質・減塩・低カリウムの食事で腎臓の負担を軽減します。
Aさんの場合、尿量が維持できてクレアチニンも下降してきましたが、正常値に戻っていないので引き続き腎臓の負担を軽減する必要があります。
退院後の生活で食事指導を行います。
蛋白質の制限について説明します。
１．腎機能が改善して尿量も維持できるようになっています。水分貯留の兆候がないので、水分制限の必要はありません。
３．Aさんは、集中治療で血液透析を行っています。
運動をすると新陳代謝が活発になり老廃物が多く作られることになります。
腎機能が正常に戻るまでは、負担のかかることは避けます。血液検査結果と診察を受けて医師の指示に従います。
４．生野菜は、カリウムが多く含まれています。
入院中に高カリウム血症の治療と血液透析を行っているので、血液検査結果をみて指示が出ます。
腎臓の負担を軽減するためにも、積極的に摂取する食材ではありません。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
03
１ 摂取した水分が十分に排出できず体内に貯留しているのであれば、水分は制限する必要がありますが、現在100ml/時間以上の尿排出が認められており、水分は十分排出できるような腎機能は保たれていると考えられます。したがって、水分制限を行う必要はありません。
２ 高蛋白質を摂取することで、尿素窒素が多く発生し、腎臓に負担をかけることとなります。腎機能が低下している患者に対し、蛋白質制限は必要です。２が正解となります。
３ 運動し、筋肉を使うことでクレアチニンや尿素などの老廃物が溜まるため、腎臓への負担を軽減するためには過度な運動は控えることが必要です。そのため、３は不正解となります。
４ 生野菜にはカリウムが多く含まれています。腎機能が低下している場合、カリウムの排出能も低下しますので、生野菜を多く摂取すると高血症となるおそれがあります。そのため、腎機能が低下している場合は生野菜の摂取は控えることが望まれます。４は不正解です。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題（問233）へ
第106回問題一覧
次の問題（問235）へ