看護師の過去問
第107回
午前 問55

正解は2です。

ルービンは、産褥早期の母親役割の経過を、「受容期」「保持期」「解放期」の三つの段階があると説明しています。

受容期：産褥1－2日。母親が看護師などに依存的態度をとる時期。（疼痛・疲労により自己にて出来ないことが多く、看護師・家族に頼りがちです。）

保持期：産褥3－10日。自律的な状態に移行する時期。（育児技術の習得、子供の世話を積極的に行います。）

解放期：産褥10－1か月。（子供のいる生活に自分の生活を合わせていきます。）

模倣、ロールプレイ、空想、投影と拒絶、過去の事故の喪失を識別する時に生じる悲嘆作業という過程をたどります。


1 . 友人の出産体験を聞く。は×
これは空想です。

2 . 人形で沐浴の練習をする。は〇
ロールプレイとは、体験を通して育児技術習得をサポートする方法の1つです。


3 . 購入する育児用品を考える。は×
これは空想です。


4 . 看護師が行う児の抱き方を見る。は×
実際に抱っこをした場合はロールプレイになりますが、抱き方を見ただけでは模倣したということになります。

正解２．人形で沐浴の練習をする。



母親役割獲得に関する理論

ルービンは、妊娠期・産褥期・育児期を通して母親役割を獲得していくプロセスを明らかにしました。
・先輩母親や専門家を模倣する
・子供を対象に母親役割を演じる（ロールプレイ）
・空想
・取り込みー投影ー拒絶
・過去の自己像を喪失したものとして悲しみ諦める

人形で沐浴の練習をするのは、ロールプレイになります。


１．友人の出産体験を聞くのは、空想になります。


３・購入する育児用品を考えるのは、空想になります。


４．看護師が行う児の抱き方を見るのは、模倣になります。

ルービンは6000名による主観的体験をもとに、母親役割獲得課程を構築しました。
１、規範的な母親役割の模倣実践である模倣
２、母親役割行動を試行してみるロールプレイ
３、自分のこどもや自分自身の状況を想像する空想
４、役割モデルを吟味し、取り入れたり拒否したりする取り込み、投影と拒絶
５、母親役割遂行に伴って過去の事故の喪失を識別する時に生じる悲嘆作業
の５つからなります。

この中の選択肢でロールプレイに当てはまるのは②です。
よって、解答は②です。

正解は2です。

ルービンによる妊娠期の母親役割獲得過程は、「模倣」、「ロールプレイ」、自分の子供や自身の状況を想像する「空想」、「投影と拒絶」、「過去の自己を喪失する際に生じる悲嘆作業」の５つの過程を通して進行すると述べられています。

1. 体験談を聞くことで、出産をイメージします。これは空想にあたります。
2. 人形を使用し、実際に沐浴を体験することは、ロールプレイにあたります。
3. 空想にあたります。
4. 看護師の方法を見て、抱き方を習得するのは、模倣にあたります。