看護師の過去問
第108回
午前 問38
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
看護師国家試験 第108回 午前 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
夜間の睡眠を促す方法で適切なのはどれか。
- 朝、起床後に日光を浴びる。
- 2時間以上昼寝をする。
- 夕食後、カフェインが含まれる飲み物を摂取する。
- 就寝前に過ごす部屋の照明は1,000ルクスとする。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
○正解
夜に良質の睡眠をとるためには、メラトニンというホルモンが必要です。そのメラトニンは朝日を浴びた約15時間後に分泌が増加することが分かっています。朝の起床後に日光を浴びる事で体内時計がリセットされます。よって、正解です。
2 . 2時間以上昼寝をする。
×不正解
昼寝を長くすると夜寝るまでの時間が短くなるため、入眠しくくなります。よって、昼寝をする時には20分以内にする事が大切です。
よって、不正解です。
3 . 夕食後、カフェインが含まれる飲み物を摂取する。
×不正解
カフェインは覚醒作用があるため、夕食後にコーヒーなど飲むと眠りにくくなったり眠りが浅くなったりします。就寝3~4時間前には飲むのを止めるようにしましょう。よって、不正解です。
4 . 就寝前に過ごす部屋の照明は1,000ルクスとする。
×不正解
1000ルクスというのはオフィスやパチンコ店のような明るさです。通常の家での照明は500ルクス程度です。就寝前に強い光を浴びると、睡眠に必要なメラトニンが分泌されにくくなり、眠りの妨げになります。眠る3時間暗い前から室内を暗くして(室内の照明を一段階落とす、もしくは100ルクス程度)、メラトニンを分泌させると良質な睡眠が取れるようになります。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
1 . 朝、起床後に日光を浴びることで、サーカディアンリズム(概日リズム)を形成することができます。サーカディアンリズムは、脳内の視床下部が司っており、体内環境を変化させる要因により形成されるもので、24時間の基本的な生活リズムのことをいいます。
太陽の光はこのリズムを形成する要因になります。
2 . 2時間以上の昼寝をすると、昼夜逆転傾向になり、夜眠れなくなる→翌日の朝から眠いといった、睡眠周期が崩れることが考えられます。
これは不正解です。
3 . 夕食後つまり睡眠前に、覚醒作用のあるカフェインを摂取すると睡眠が妨げられることが考えられます。よって不正解です。
4 . 1,000ルクスとは大体、晴天の日に部屋に入ってくる光やパチンコ店の照明に等しいです。
この明るさでは睡眠が妨げられてしまいます。よって不正解です。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
03
(解説)
良質な睡眠を得るためには、メラトニンの分泌が必要不可欠になります。メラトニンは、副交感神経を優位にさせて、夜になるにつれて分泌量が増加し、睡眠を促します。このメラトニンの分泌に関係しているのが、メラトニンの材料でもあるセロトニンです。セロトニンは、脳内で働く神経伝達物質のひとつであり、メラトニンを分泌させるためには、セロトニンがしっかり分泌される必要があります。セロトニンは、朝日を浴びることで、体内時計がリセットされ、分泌が活性化されるため、正解は「1」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
2.2時間以上の昼寝:適切な昼寝の時間は15分~30分とされています。これは、レム睡眠とノンレム睡眠に関係しており30分以上の昼寝は、ノンレム睡眠が深くなり、すっきりと目覚めにくく、睡眠による脳の休息効果も大きくなってしまうことから、夜になかなか寝付けなくなることがあるためです。よって、正解には該当しません。
3.カフェインの摂取:カフェインには、覚醒・興奮作用があり、寝る6時間前の摂取でも睡眠に影響があったという研究結果が報告されています。よって、就寝前だけでなく、夕食時にカフェインを含む飲料や食品を取ることで睡眠サイクルが崩れ、寝不足や不眠症を引き起こす可能性があります。よって、正解には該当しません。
4.就寝前の照明は1000ルクス:解説でも述べましたが、睡眠前には、メラトニンというホルモンが分泌され、睡眠が促されます。しかし、メラトニンは、明るすぎると分泌されにくくなる性質があり、100ルクス以上の光と青白い光によって、分泌に影響があるとされています。就寝前に適切な照明の明るさは、豆電球などの10ルクス程度とされています。1000ルクスは例えるならパチンコ店内の明るさとされており、就寝前には不適切であるため、正解には該当しません。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問37)へ
第108回問題一覧
次の問題(問39)へ