看護師の過去問
第108回
午前 問49

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問49 (訂正依頼・報告はこちら)

高カリウム血症(hyperkalemia)の患者でみられるのはどれか。
  • Trousseau<トルソー>徴候
  • 心電図でのT波の増高
  • 腸蠕動音の低下
  • 四肢の麻痺

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この過去問の解説 (3件)

01

1 . トルソー徴候
×不正解
トルソー徴候とは血中のカルシウムイオンの値が低下する事により、神経や筋肉の興奮性を増加させます。その結果反射の亢進、強直性痙攣、テタニーといった身体症状が見られます。
高カリウム血症では認められないため、不正解です。

2 . 心電図でのT波の増高
○正解
高カリウム血症とは、血漿カリウム濃度が5.5mEq/Lを上回る状態のことを指します。カリウムは心臓の筋肉に特に関係しています。高カリウム血症となると致死性の不整脈(心室細動、心室性期外収縮など)を起こす可能性があるため、早めの治療が必要です。高カリウム血症の患者さんの心電図では、テント上T波が認められます。よって、正解です。

3 . 腸蠕動音の低下
×不正解
腸蠕動音の低下は麻痺性イレウス、消化器手術後に見られます。よって、不正解です。

4 . 四肢の麻痺
×不正解
周期性四肢麻痺は低カリウム血症の際に起こります。症状は突然発作として、両側性に全身の筋力が失われ、しばらくして再び正常に戻る可逆性の麻痺です。
脳梗塞などの脳血管系疾患でも麻痺が起こる可能性はありますが、多くの場合は片側麻痺となります。
また、他の可能性としては、頸髄損傷により起こる四肢麻痺があります。

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02

(正解) 2
(解説)
高カリウム血症は、体内の総カリウム貯蔵量が過剰になったり、カリウムが細胞外に異常に移動したりすることによって、血清カリウム濃度が5・5mEq/Lを上回る状態のことを指します。症状は、筋力低下やしびれなどの神経筋症状や重度の場合は心室細動や心停止といった事態に及ぶ心毒性などがあります。
高カリウム血症では、血中のカリウムが高値になることで、心臓を動かす細胞のエネルギーに異常が起こり、収縮した心臓がもとの形に戻りにくくなるため、収縮した心臓をもとに戻すために力強く心臓が拡張するという状態が起こります。心電図のT波は、収縮した心臓が拡張するときを表しているため、高カリウム血症では、心電図上でT波が増高します。よって、正解は「2」になります。

(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1.トルソー徴候:トルソー徴候は、低カルシウム血症の症状になります。具体的には、血圧計で収縮期血圧より高い圧を上腕に3分間以上かけると、手と前腕の筋攣縮が起こり、手首の関節の屈曲とすべての指が伸展するような手位になります。高カリウム血症の症状ではないため、正解には該当しません。

3.腸蠕動音の低下:高カリウム血症では、消化器症状のひとつとして下痢が起こることがあります。よって、腸蠕動音は低下ではなく亢進となります。よって、正解には該当しません。

4.四肢の麻痺:低カリウム血症では、周期性四肢麻痺といって、周期的・発作的に四肢/体幹の麻痺を呈する症状があります。高カリウム血症の症状ではないため、正解には該当しません。解説でも述べた通り、高カリウム血症では脱力、筋力低下、四肢の知覚異常がみられます。

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03

正解は2です。

高K血症は、K排泄機能低下や細胞内Kが細胞外に移動する病態をいいます。(血清K値:5.5mE
q/L以上)
悪心・嘔吐・しびれ感・脱力感・不整脈などの症状が見られます。


1 . Trousseau<トルソー>徴候とは、上腕をマンシェットで圧迫し血流を遮断すると、助産師手位が出現する症状です。これは、血中Ca濃度低下により
起こるものです。
よって不正解です。



2 . 心電図でのT波の増高は、高K血症で見られる症状です。
P波の消失、テント状T波(尖った背の高いT波)、幅広QRS波の出現があります。
よって正解です。


3 . 腸蠕動音の低下は術後や廃用症候群により起こるとされています。
よって不正解です。


4 . 四肢の麻痺は脳血管疾患に多く見られる症状です。麻痺ではなく、しびれ感は高K血症では見られます。
よって不正解です。

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