看護師の過去問
第108回
午前 問72
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問題
看護師国家試験 第108回 午前 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(82歳、男性)は、妻(75歳)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1。日中は車椅子に座っていることが多い。Aさんの仙骨部に発赤があるのを発見したため、訪問看護師は妻にAさんへの介護方法を指導することにした。
妻に指導する内容で正しいのはどれか。
妻に指導する内容で正しいのはどれか。
- 「仙骨部をマッサージしましょう」
- 「夜間は2時間毎に体位変換をしましょう」
- 「時々お尻を浮かすよう声をかけましょう」
- 「車椅子に座らせるときは円座を使いましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
2.× 夜間の体位交換は本人の睡眠の妨げや介護者にとっても介護負担が大きいため適切ではありません
3.〇 日中車椅子に座っていることが多いため、時々お尻を浮かすよう伝えることで除圧に繋がります
4.× 円座を使用することで体圧のずれも生じるため適切ではありません
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02
2.夜間の体位変換により、睡眠を妨げや2時間ごとの1回の体位変換は介護者の負担になるため、夜間の体位変換の間隔を延長することを考えます。
3.正解です。
日中、車椅子に座ることができるため、お尻をときどき浮かすことで除圧ができます。
4.円座は、穴の周辺部に体圧やずれが働くため、褥瘡予防に使うことは推奨されていません。
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03
(解説)
褥瘡予防のポイントのひとつが「除圧管理」で、圧が同じところにかかり続けないようにすることが大切です。褥瘡診療ガイドラインでは、寝たきりの場合には、体圧分散マットレスを使い、定期的に体勢をかえることが推奨されています。Aさんの場合は、寝たきりではなく、日中車椅子に座ってすごしていることが多いことから、時々おしりを浮かすようにすることで除圧をはかることができます。よって、正解は「3」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1について
:褥瘡を悪化させる可能性があるため、原則褥瘡部位にマッサージは行いません。よって、正解には該当しません。
2について
:入院中であれば、夜間の2時間おきの体位変換を実施していることもありますが、夜間の体位変換は睡眠の妨げになること、介護者の負担につながることを考慮すると不適切であると考えられます、よって、正解には該当しません。体位変換の必要なケアの一つではあるため、介護者の負担にならないよう、体位変換の間隔などを検討していく余地はあると考えられます。
4について
:かつては、円座が褥瘡部位の除圧に向いているという考え方もありましたが、現代では、円座を使用することにより褥瘡が悪化するため、使用を禁じています。円座は、確かに円の穴の部分には圧はかからないのですが、そのぶん穴の周囲に体圧が集中することで、その部分の血流が著しく阻害され褥瘡発生のリスクが高まってしまいます。そして、円の穴の中に褥瘡部位は落ちようとするため、皮膚が引っ張られ、ズレが生じてしまい、褥瘡悪化のリスクが高まります。よって、正解には該当しません。
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