看護師の過去問
第108回
午前 問108

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問題

看護師国家試験 第108回 午前 問108 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。

産褥2日。乳房の緊満はなく、熱感がある。初乳から移行乳へと変化している。Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。児の体重は3,060gで、体重減少率は4.4%、排尿は3回/日、排便は2回/日である。Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。
この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。
  • 直接授乳の回数
  • 母乳の分泌状態
  • 児の体重減少率
  • 児の排泄状況

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

この設問で問われているのは、「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」とAさんが看護師に相談した部分がポイントです。
Aさんは産後2日目、母乳分泌もみられてきて、14回/日授乳をしています。ですが、出産時より体重が減少してきているため、母乳だけでは足りずにミルクを足した方がよいのではないか、という不安から看護師に相談をしました。
新生児は、排泄や不感蒸泄のわりには、哺乳量も少ないため、新生児特有の生理的体重減少が起こります。そのため、母乳に人工乳を足して栄養を補充します。
母乳状況や排泄状況に問題がなさそうであれば、体重減少が生理的範囲内であるかをまずアセスメントします。

1)×
授乳回数は14回、新生児の授乳回数は2.3時間毎ですので問題はありません。
また、授乳回数は個人差があり、この頃は欲しがるだけ授乳しますので、直接授乳回数のアセスメントは優先されません。

2)×
産後2日目、母乳は初乳から移行乳に変化しています。移行乳の頃は、だんだんと乳汁分泌が増え、乳房が軽く腫れ、痛みや熱感を感じることもあります。これは正常な乳汁分泌の経過です。
Aさんは、母乳が出ていないことを心配していますが、この頃の母乳量としては問題ありません。

3)○
生後数日は、体重が減少します。これは哺乳量より体から出る水分量の方が多いためであり、生理的体重減少といいます。
正常では約一週間ほどで出生体重に戻り、その後は増加していきます。
減少率として、10%以内であれば問題ありません。
設問の場合、4.4%と正常範囲内ということをアセスメントできれば、このまま母乳と人工乳を調節して経過をみていきます。

4)×
排尿3回/日 排便2回/日という排泄状況は、生後2日目であれば正常経過といえます。
排尿が少なめですが、哺乳量がまだまだ少ないため、これから増えてきますので経過をみます。
設問において、最優先されるアセスメントではありません。

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02

授乳間隔はだいたい2~3時間とされており、直接授乳の回数が14回というのは問題となる回数ではありません。初乳から移行乳へと移行していること、乳房の緊満は見られていないため、母乳の分泌状態にもそれほど問題はないと思われます。児の排泄状況についても問題はありません。
この問題で大切なのは、Aさんが「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足したほうがいいですか」という相談に対して看護師がするべきアセスメント項目はなにか、ということです。人工乳を足すべきかどうか、というところなので、3の児の体重減少率に着目することが一番重要です。児の体重減少率は生後3~4日で3~10%と言われていますので、これ以上減少しているようでしたが人工乳も足すことが必要と思われますが、この事例の場合は4.4%なので正常範囲内ということになります。

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03

新生児は生まれた後に生理的体重減少といい、少し体重が減ります。生後2日〜4日で一番減少し、5〜7%の体重減少があります。
問題文の新生児はこの範囲内の体重減少に収まっているため、生理的体重減少としては問題ないと考えます。

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