正解は4です。
心タンポナーデとは、心嚢(心臓と心臓を覆う外膜の間)に液体が貯留すると心臓が圧迫され、十分に拡張できずに心臓の動きを抑制する状態です。
それにより、全身への血液供給が低下し、循環障害が生じることがあります。
開心術後の合併症として、出血があります。
この出血した血液が心臓周囲に貯留することで、心タンポナーデを発症することがあります。
1)×
循環血液量が低下するということは、いわゆる貧血の状態になります。1回の心拍出量が少なければ、心臓は拍動を増やして、全身へ血液量を補おうと働きます。そのため、心タンポナーデでは、頻脈となります。
2)×
心臓が拡張できないということは、収縮も弱くなります。そのため、心音は微弱となります。
また、心タンポナーデの症状の典型的症状としてBeckの3徴があります。
①血圧低下
②静脈圧上昇
③心音微弱
3)×
心臓が拡張・収縮できないということは、心臓本来のポンプ機能が低下します。そのため心拍出量は低下し、循環不全となります。
4)○
心拍出量が低下するということは、循環する血液の流れが滞り、心臓に戻りにくくなります。
そのため、静脈圧上昇がみられます。静脈圧の上昇は、頸静脈怒張の有無で確認することができます。