看護師の過去問
第108回
午後 問154
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問題
看護師国家試験 第108回 午後 問154 (訂正依頼・報告はこちら)
嚥下障害を評価する改訂水飲みテストで正しいのはどれか。
- 嚥下後10秒間で評価する。
- 嚥下動作の準備期を評価する。
- 嚥下後の呼吸状態を評価する。
- 80mLの水の嚥下状況を評価する。
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この過去問の解説 (3件)
01
改訂水飲みテスト:
3mlの冷水を嚥下させ、嚥下運動および咽頭期障害を評価します。
手順
①冷水3mlを口腔底(舌の下)に注ぎ、嚥下を指示す します。
②嚥下後、反復嚥下を2回行ってもらいます。
③評価基準が4点以上なら 、最大2施行繰り返します。
④最低点を評価します。
評価基準
1.嚥下なし、むせるand/or呼吸切迫
2.嚥下あり、呼吸切迫(不顕性誤嚥の疑い)
3.嚥下あり、呼吸良好、むせるand/or 湿性嗄声
4.嚥下あり、呼吸良好、むせない
5.4に加え、反復嚥下が30秒以内に2回可能
1)×
評価基準により、嚥下後30秒を観察し評価します。
2)×
嚥下動作の咽頭期障害を評価します。
摂食・嚥下の過程は、先行期、 準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5期に分けられます。
①先行期:食物の認知と取り込み
開眼し目の前の食べ物を視覚や嗅覚で判断し、食べ物を食べ物として認識します。
②準備期:食物の咀嚼と口腔内保持、味の伝達
③口腔期:舌の動きで食塊を咽頭方向に送り込む
食塊の奥舌への移送、舌は前方から口蓋に押し付けられ、食塊を咽頭に向け一気に押し込みます。
④咽頭期:食塊を嚥下反射によって食道まで送る
食塊は 左右の梨状窩から食道入口部へ達します。
食道括約筋は弛緩し、食塊を食道に送ります。
⑤食道期:食塊を胃へと送る
食道括約筋による閉鎖と蠕動運動により、食塊を移送をします。
3)○
上記の評価基準において、嚥下の有無に加え、むせ、呼吸状態、湿性嗄声などを観察します。
4)×
改訂水飲みテストでは、冷水3mlで評価します。
シリンジなどで口腔底に注ぎ、直接咽頭に流れ込むことを防ぎます。
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02
改定水飲みテストでは、急性期の患者さんや重度の摂食・嚥下障がい者の場合、30mlの水飲みテストは誤嚥のリスクが高く危険なため、3mlの冷水を使って行う評価方法です。
このテストでむせや湿声がない場合は、30mlの水飲みテストを実施します。反対に3ccの水でも嚥下できなかったり、むせや湿声がある場合は、機器による嚥下機能の精査が必要です。
1 は、嚥下後に30秒観察することになっているため間違いです。
2は、改定水飲みテストでは、咽頭期障害の評価をするため、準備期を評価するは間違いです。
3 は、 嚥下後の呼吸状態を評価し、呼吸切迫がないかを見ていくため正解になります。
4 . 摂取量は、初めに3mLで評価するため、80mLの水の量で嚥下状況を評価することは危険であるため、間違いです。
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03
1 . 嚥下後10秒間で評価する。
×不正解
反復唾液嚥下テスト(RSST)では口腔内を湿らせたあとに空嚥下を30秒繰り返してもらうことで嚥下機能を評価します。2回以下の時には問題があると考えます。
2 . 嚥下動作の準備期を評価する。
×不正解
摂食・嚥下の過程では食塊の位置により、先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期の5期に分けられます。
嚥下障害を評価するのは咽頭期です。咽頭期では、鼻咽腔閉鎖、口腔との遮断、嚥下反射、喉頭挙上・喉頭腔閉鎖、食道入り口開大といった動作が含まれます。
よって、この選択肢は不正解です。
3 . 嚥下後の呼吸状態を評価する。
○正解
改訂水飲みテストの判定方法では①嚥下の有無、②呼吸変化の有無、③むせ込みの有無を合わせた5段階で評価します。
したがって、この選択肢が正解となります。
4 . 80mLの水の嚥下状況を評価する。
×不正解
水飲みテストでは30mlのさらさらした水を飲んでもらいむせるかむせないかを評価します。
しかし、改訂水飲みテストでは水飲みテスト(30ml)を行うと危険と判断される場合(JCS1桁、65歳以上、RSSTにて空嚥下1~2回/30秒可能)に行われます。3mlの氷水が使用されます。
よって、この選択肢は不正解です。
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