看護師の過去問
第108回
午後 問193

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問193 (訂正依頼・報告はこちら)

採血の際、血液が凝固するのを防ぐために試験管にクエン酸の結晶を入れておくことがある。
クエン酸によって血液から除かれるのはどれか。
  • トロンビン
  • プラスミン
  • カルシウムイオン
  • ナトリウムイオン
  • フィブリノーゲン

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

血液凝固:
一次止血で血小板により傷口に血栓ができます。
血小板だけでは脆弱なので、二次止血としてフィブリンというたんぱく質が血小板の上に張り付き、凝固が完成します。

線溶:逆にそれらを溶かす働きのこと。線溶を行うのはプラスミンというたんぱく質です。

☆クエン酸は血液凝固因子を除去する働きがあります。


1 . プロトロンビンはトロンビンが数種類の凝固因子によって変化したたんぱく質の事を言います。
これは凝固因子ではなく、クエン酸では反応しないため不正解です。


2 . プラスミンは線溶の過程で出現するたんぱく質です。
よって不正解です。


3 . カルシウムイオンは、血液凝固因子の一つであり、必須なものです。
よってそれを除去することで凝固しなくなります。
よって、正解です。


4 . ナトリウムイオンは、凝固・線溶においてともに関係がないため、不正解です。


5 . フィブリノーゲンはフィブリンが様々な血液凝固因子によって変化したたんぱく質です。
これは凝固因子ではなく、クエン酸と反応しないため不正解です。

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02

正解3.カルシウムイオン

カルシウムイオンは、血液凝固因子で血液凝固作用があります。
クエン酸は、カルシウムイオンと結合するため抗凝固作用を起こします。

1.トロンビンは、一種の蛋白分解酵素で血液中のフィブリノゲンに作用してフィブリンを作って血液凝固を起こします。
第Ⅴ因子・第Ⅷ因子・第Ⅻ因子等を活性化させることで血液凝固を起こし血液凝固過程の中心になります。
ヘパリンがアンチトロンビンⅢを促進してトロンビンを不活化する事で凝固を阻止するので、クエン酸の影響は受けません。

2.プラスミンは、血栓を溶解する蛋白質です。
二次止血でフィブリンの形成が促進されると、フィブリンを溶解する目的で線溶が起こります。線溶を行うのがプラスミンです。
クエン酸の影響は受けません。

4.ナトリウムイオンは、体内の水分バランスやミネラルのバランスを保つために必要な元素です。
血液凝固には、関与していません。

5.フィブリノーゲンは、血液凝固の最終段階でトロンビンによりフィブリンに換えて凝固を行います。クエン酸の影響は受けません。

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03

クエン酸にはカルシウムイオンをブロックする作用があります。

1 . トロンビン
×不正解
血液凝固の過程でカルシウムイオンがプロトロンビンをトロンビンに変化させます。
トロンビンはクエン酸で除去されないので不正解です。

2 . プラスミン
×不正解
出血後、血液が凝固し、血管が元通りになったときに血栓が自然に除去される際に作られるのがプラスミンです。プラスミンはたんぱく質でフィブリンの網目の膜を溶かします。
よって、不正解です。

3 . カルシウムイオン
○正解
血液凝固の過程における二次止血でカルシウムイオンがフィブリンを作るうえで必要になってきます。
クエン酸三ナトリウムはこのカルシウムイオンと結合することで血液の凝固を防ぎます。
よって、正解です。

4 . ナトリウムイオン
×不正解
ナトリウムイオンは血液凝固の過程に関与していないため、不正解です。

5 . フィブリノーゲン
×不正解
フィブリノーゲンはフィブリンの前駆物質です。クエン酸ではフィブリノーゲンは除去されないため、不正解です。

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