甲状腺は頸部に位置し、体全体の新陳代謝を促進するホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンには、FT3(フリー・トリヨードサイロニン)とFT4(フリー・サイロキシン)があります。
甲状腺機能亢進症ではFT3、FT4が上昇し、TSHが低下します。
甲状腺機能亢進症の治療に使われる抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(チウラジール、プロパジール)の2種類があります。
1 . 頻脈
×不正解
甲状腺機能亢進症のでは全身の代謝が上がるため頻脈になります。
2 . 肝障害
○正解
抗甲状腺薬を内服開始後2週間~3ヶ月までに起こることが多いです。血液検査でALT、ASTといった肝機能検査のみが異常になる場合と、検査値の異常と共に黄疸があらわれる場合があります。
肝機能値がとても高い場合や黄疸を伴う場合は内服薬の中止が必要となってきます。
3 . 低血糖
×不正解
低血糖は甲状腺機能亢進症では認められない症状です。
4 . 不整脈
×不正解
甲状腺機能亢進症のでは全身の代謝が上がるため頻脈になります。頻脈が続くと心臓に負担がかかるため、治療を行わないでいると心房細動、うっ血性心不全などの不整脈になる可能性があります。
5 . 眼球突出
×不正解
甲状腺機能亢進症の際に現れる可能性のある症状です。自己免疫の異常が原因で、まぶたや眼窩に炎症が起こり、眼窩にある脂肪が腫れることにより眼球が押し出された状態になります。バセドウ病患者さん全体の約10~30%程度に現れる症状です。