看護師の過去問
第108回
午後 問197

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問197 (訂正依頼・報告はこちら)

抗甲状腺薬の副作用(有害事象)で正しいのはどれか。
  • 頻脈
  • 肝障害
  • 低血糖
  • 不整脈
  • 眼球突出

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この過去問の解説 (3件)

01

甲状腺は頸部に位置し、体全体の新陳代謝を促進するホルモンを分泌します。甲状腺ホルモンには、FT3(フリー・トリヨードサイロニン)とFT4(フリー・サイロキシン)があります。
甲状腺機能亢進症ではFT3、FT4が上昇し、TSHが低下します。
甲状腺機能亢進症の治療に使われる抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(チウラジール、プロパジール)の2種類があります。

1 . 頻脈
×不正解
甲状腺機能亢進症のでは全身の代謝が上がるため頻脈になります。

2 . 肝障害
○正解
抗甲状腺薬を内服開始後2週間~3ヶ月までに起こることが多いです。血液検査でALT、ASTといった肝機能検査のみが異常になる場合と、検査値の異常と共に黄疸があらわれる場合があります。
肝機能値がとても高い場合や黄疸を伴う場合は内服薬の中止が必要となってきます。

3 . 低血糖
×不正解
低血糖は甲状腺機能亢進症では認められない症状です。

4 . 不整脈
×不正解
甲状腺機能亢進症のでは全身の代謝が上がるため頻脈になります。頻脈が続くと心臓に負担がかかるため、治療を行わないでいると心房細動、うっ血性心不全などの不整脈になる可能性があります。

5 . 眼球突出
×不正解
甲状腺機能亢進症の際に現れる可能性のある症状です。自己免疫の異常が原因で、まぶたや眼窩に炎症が起こり、眼窩にある脂肪が腫れることにより眼球が押し出された状態になります。バセドウ病患者さん全体の約10~30%程度に現れる症状です。

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02

正解は2です。

甲状腺は首の前方にあり、脳下垂体前葉からチロキシン・トリヨードサイロニンというホルモンが分泌されます。
新陳代謝促進をし、欠かせない臓器です。

ここで抗甲状腺薬は甲状腺機能を妨げる働きがあり、甲状腺機能亢進症に対して使用されます。


1 . 頻脈は甲状腺の機能によるものです。
抗甲状腺薬による症状に当てはまりません。
よって不正解です。


2 . 肝障害は、抗甲状腺薬の副作用です。ほかにも蕁麻疹、無顆粒球症などがあります。
よって正解です。


3 . 低血糖は甲状腺の機能により調節されるものではありません。膵臓で行われるものです。
よって不正解です。


4 . 不整脈は甲状腺機能により出現する症状ではありません。
よって不正解です。


5 . 眼球突出は甲状腺機能亢進により出現する症状です。抗甲状腺薬によりこの症状は出ません。
よって不正解です。

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03

正解2.肝障害


甲状腺は首の前方でのどぼとけのすぐ下にあります。甲状腺ホルモンを分泌して、身体の発育を促し新陳代謝を調節しています。

甲状腺ホルモンが多い状態は、バセドウ病などがあります。
抗甲状腺薬は、甲状腺ホルモンの合成を抑えて過剰に甲状腺ホルモンを作らないようにして、ホルモンバランスの改善を図ります。
副作用として①薬疹②肝機能障害③無顆粒球症などがあり、内服開始から3カ月までに見られるので内服開始後から観察が必要です。


1.頻脈は、甲状腺機能亢進症の症状であり新陳代謝が亢進して起こります。
抗甲状腺薬の副作用ではありません。


3.低血糖は、食事と膵臓から分泌されるインスリンの影響を受けます。糖尿病などの薬物療法時に起こしやすくなります。
抗甲状腺薬の副作用ではありません。


4.不整脈は、甲状腺機能亢進症の症状であり新陳代謝が亢進して起こります。
抗甲状腺薬の副作用ではありません。


5.眼球突出は、甲状腺機能亢進症の症状であり新陳代謝が亢進して起こります。
抗甲状腺薬の副作用ではありません。

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