看護師の過去問
第108回
午後 問211

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問題

看護師国家試験 第108回 午後 問211 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み問いに答えよ。

Aさん(52歳、男性)は、5年前にC型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)と診断され、1回の入院歴がある。退院後、医療機関への受診を中断し3年が経過している。毎日、ウイスキーを約300mL飲んでいる。夕食の時間後に約1,100mLの吐血があり、緊急入院となった。
身体所見:体温35.4°C、呼吸数26/分、脈拍122/分、血圧86/42mmHg、顔面は蒼白、冷汗を認める。意識は清明だが不安げな表情をしている。
検査所見:赤血球278万/μL、Hb8.4g/dL、総ビリルビン4.1mg/dL、アンモニア188μg/dL、K3.9mEq/L、血糖102mg/dL。

入院から日4が経過し、Aさんは医師から「C型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)の患者は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)を発症することがある」と説明を受けた。Aさんはスクリーニングの目的で、肝臓から骨盤内臓器までの範囲で腹部超音波検査を受けることになった。
検査前日に看護師が行う説明で正しいのはどれか。
  • 「検査直前に排尿を済ませてください」
  • 「おならは検査が終わるまで我慢してください」
  • 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」
  • 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1は、膀胱内に尿が貯まっていることで、膀胱実質が見えやすくなり異常の発見がしやすくなるため、排尿を済ませておくことは間違いです。

2は、排ガスによって超音波検査に影響はないため間違いです。

3は、超音波検査では造影剤は使用しませんので間違いです。

4は、食事摂取することで消化管の動きが活発になり、検査に支障をきたします。腹腔内の検査をする時は基本的に絶食で望むので正解になります。

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02

正解4.検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください。


腹部超音波検査

超音波を用いて、内臓から返る反射波を画像で見る検査です。
肝臓・胆嚢・胆管・膵臓・脾臓・腹部大動脈・膀胱・尿道・前立腺の検査が行えます。

食事をすると消化管内のガスが増えるため、検査したい臓器が見えにくくなります。
胆嚢は、食事により収縮して見えにくくなります。
食事で胃が膨らむと胃の後方にある膵臓が見えにくくなります。
適切に検査が行えるように説明を行います。


1.検査前に排尿すると、膀胱が空になり小さくなり膀胱の異常を見つけにくくなります。
子宮・卵巣・前立腺は膀胱の後方にあるため、膀胱に尿が溜まっていないと腸管ガスで見えにくくなります。


2.腸管ガスの存在で、見えにくくなるのでおならを我慢する必要はありません。


3.腹部超音波検査は、造影剤を使用する検査ではありません。
造影剤のアレルギーの確認は、必要ありません。

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03

腹部超音波検査は、腹部に超音波を当て肝臓・胆のう・膵臓・脾臓・腎臓の異常がないかを見る検査です。



1 . 「検査直前に排尿を済ませてください」
Aさんは、肝臓から骨盤内臓器(膀胱・尿道・直腸・性器)の検査を行います。膀胱に尿が貯留していることで各器官が見やすくなることや、膀胱自体の異常が見つけにくくなってしまいます。
よって不正解です。


2 . 「おならは検査が終わるまで我慢してください」
これは、腹部超音波でみえないものは骨とガスです。よって排ガスは問題ないです。
よって不正解です。



3 . 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」
超音波検査であれば造影剤は使用しないため、不正解です。


4 . 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」
これは食事摂取により胆のうから胆汁が分泌されてしまい、胆のうが小さくなってしまい検査できなくなります。また、腸も活発に動いてしまうためガスがたまってしまい正確な結果が出ません。よって朝食は食べないで検査に行かなけければなりません。
よって正解です。

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