看護師の過去問
第108回
午後 問214
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問題
看護師国家試験 第108回 午後 問214 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み問いに答えよ。
Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。5年前から高血圧症(hypertention)、脂質異常症(dyslipidemia)を指摘され、降圧薬を内服していた。自宅で左半身に脱力感が出現し、救急車で搬送された。救急外来でCT及びMRI検査を行った結果、右中大脳動脈領域に脳梗塞(cerebral infarction)の所見が認められた。入院時は、グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>E3V4M5、体温36.8°C、呼吸数16/分、脈拍66/分(不整)、血圧160/85mmHg、HbA1c5.8%、心電図では、RR間隔は不定で心拍数100/分であった。入院後、血栓溶解療法を受け、2日後からリハビリテーションが開始された。1週後には回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。
入院から3週が経過し、リハビリテーションによって日常生活動作<ADL>は改善しているが、夜間は眠れず、食欲も低下している。Aさんは「なかなか良くならない。何もできなくなってしまった」と話している。
現在のAさんへの声かけで、最も適切なのはどれか。
Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。5年前から高血圧症(hypertention)、脂質異常症(dyslipidemia)を指摘され、降圧薬を内服していた。自宅で左半身に脱力感が出現し、救急車で搬送された。救急外来でCT及びMRI検査を行った結果、右中大脳動脈領域に脳梗塞(cerebral infarction)の所見が認められた。入院時は、グラスゴー・コーマ・スケール<GCS>E3V4M5、体温36.8°C、呼吸数16/分、脈拍66/分(不整)、血圧160/85mmHg、HbA1c5.8%、心電図では、RR間隔は不定で心拍数100/分であった。入院後、血栓溶解療法を受け、2日後からリハビリテーションが開始された。1週後には回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。
入院から3週が経過し、リハビリテーションによって日常生活動作<ADL>は改善しているが、夜間は眠れず、食欲も低下している。Aさんは「なかなか良くならない。何もできなくなってしまった」と話している。
現在のAさんへの声かけで、最も適切なのはどれか。
- 「時間が経てば良くなりますよ」
- 「リハビリをがんばりましょう」
- 「同じ病気の患者さんをご紹介しますね」
- 「なかなか良くならないと感じているのですね」
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この過去問の解説 (3件)
01
1)×
脳梗塞の後遺症は人様々で、リハビリで発症前と同じ状態にならないことも多いです。Aさんは、入院後3週間がたち、ADLは改善されてきたものの、今まで通りにできなくなってしまった自分をまだ受け入れられていません。
そのAさんに、「時間がたてば良くなる」という声掛けは、なんの根拠もなく無責任な言動です。
まずは、今Aさんが抱えている想いに寄り添うことが必要です。
2)×
Aさんは、「なかなか良くならない。何もできなくなってしまった」と夜間も眠れずに苦しんでいることを訴えています。
まずは、Aさんがどのように苦しんでいるのか、想いをしっかり傾聴します。
「リハビリをがんばりましょう」は、すでに頑張っているAさんに向ける言葉ではありません。
3)×
同じ病気の患者さんを紹介することは、間違いではありませんが、「病期」や「時期」のタイミングを外すと逆効果になります。
Aさんが医療者に訴えたということの意味を考え、Aさんに何ができるかを考えます。
4)○
Aさんが感じていることを、受容し、傾聴することからコミュニケーションや信頼関係が構築します。
Aさんが望んでいることは、薬や治療で改善するようなことではなく、共感や理解です。
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02
脳梗塞のリハビリテーション
現在の治療ガイドラインでは、発症直後からのリハビリテーションが推奨されています。
リハビリテーションは、長期的に取り組んでいく必要があります。
発症前の状態に戻ることを意識していると、思うように改善しないことに落ち込んでしまうことがあります。
現在の状態から少しずつステップアップしていくという心の準備が必要になります。
Aさんの思いを傾聴していくことが大切になります。
リハビリテーションを継続していくための精神的サポートも重要な役割になります。
1.時間がたてば良くなるというのは、曖昧で根拠がありません。具体的に目標を持てるように関わっていく必要があるので、適切ではありません。
2.リハビリテーションを頑張っているのに、成果が得られないと精神的に落ち込んでいる状況になっています。「リハビリを頑張りましょう」は、適切な声かけではありません。
3.今のAさんの状況が受け入れられていないので、同じ状況の患者さんと話をすることで、比較して落ち込む可能性があるので今の段階では適切な声かけではありません。
リハビリテーションを進めていく上で、必要なことであると思われるので、Aさんの状況を見て関わっていく必要があります。
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03
よって不正解です。
2 . リハビリテーションを行いAさんなりに努力してADLが向上していることが文章から分かります。しかしそこで「リハビリをがんばりましょう」の声掛けは、余計にプレッシャーを感じさせてしまいます。
よって不正解です。
3 . 声掛けとしては間違っていませんが、この声掛けは自分の体のことを受け入れられるようになった後の段階での声掛けだと考えられます。
よって不正解です。
4 . 「なかなか良くならないと感じているのですね」と受容・共感の声掛けが何よりも初めに必要です。
よって正解です。
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