看護師の過去問
第109回
午前 問95
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問題
看護師国家試験 第109回 午前 問95 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん( 56 歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40 歳時の会社の健康診断で 2 型糖尿病( type 2 diabetes mellitus )と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50 歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1 年前から、足のしびれが出現するようになった。
Aさんは、3 か月前に末期腎不全( end - stage renal failure )の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1 週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。
入院時の身体所見:体重 73 kg( 1 週間で 4 kg増加)、血圧 178 / 105 mmHg。
入院時の検査所見:Hb 9.5 g /dL、血清尿素窒素 72 mg /dL、血清クレアチニン 9.0 mg /dL、血清カリウム 6.8 mEq /L、血清ナトリウム 138.5 mEq /L。緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真を別に示す。
Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
Aさん( 56 歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40 歳時の会社の健康診断で 2 型糖尿病( type 2 diabetes mellitus )と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50 歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1 年前から、足のしびれが出現するようになった。
Aさんは、3 か月前に末期腎不全( end - stage renal failure )の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1 週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。
入院時の身体所見:体重 73 kg( 1 週間で 4 kg増加)、血圧 178 / 105 mmHg。
入院時の検査所見:Hb 9.5 g /dL、血清尿素窒素 72 mg /dL、血清クレアチニン 9.0 mg /dL、血清カリウム 6.8 mEq /L、血清ナトリウム 138.5 mEq /L。緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真を別に示す。
Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
- 貧血( anemia )
- 心不全( heart failure )
- 低カリウム血症( hypokalemia )
- 低ナトリウム血症( hyponatremia )
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この過去問の解説 (3件)
01
緊急透析の適応
・代謝異常(高度の代謝性アシドーシス:pH7.15未満)
・薬物中毒
・尿毒症症状(BUN 110 mg/dl以上、意識障害、嘔吐、頭痛など)
・電解質異常(高カリウム血症:K>6mEq/Lもしくは治療下でK>5.5mEq/L)
・体液過剰(肺水腫、心不全) など
Aさんは、体重増加、全身浮腫、全身倦怠感、呼吸苦の症状があり、血清尿素窒素72mg/dL、血清クレアチニン9.0mg/dL、血清カリウム6.8mEq/Lと高値を示しており、胸部X線上でも心肥大や気管支周囲の浮腫(肺水腫)が認められます。これらの所見から、心不全の状態であると考えられます。
1. →Hb9.5g/dLと貧血の状態ではありますが、貧血だけでは緊急透析の適応とはなりません。
3. →血清カリウム6.8mEq/Lと高カリウム血症の状態です。
4. →ナトリウム値は正常です。
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02
糖尿病の合併症として、①糖尿病性腎症②糖尿病性網膜症③糖尿病性神経障害があります。
糖尿病性腎症は、腎臓の障害程度に応じて
・第1期 腎症前期
・第2期 早期腎症期
・第3期 顕性腎症期
・第4期 腎不全期
・第5期 透析療法期
に分類されます。
緊急透析の適応として
・代謝異常(高度の代謝性アシドーシス)
・中毒
・尿毒症症状(意識障害、嘔吐、頭痛など)
・電解質異常(高カリウム血症)
・体液過剰(肺水腫、心不全)
などがあります。
この事例では、体重増加・全身浮腫・呼吸苦の出現があり、胸部エックス線写真からも心不全の状態が考えられます。
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03
(解説)
緊急透析の適応は、①代謝異常(pH7.15未満)、②薬物中毒、③尿毒症症状(BUN 110 mg/dl以上、意識障害、嘔吐、頭痛など)、④電解質異常(高カリウム血症:K>6mEq/Lもしくは治療下でK>5.5mEq/L)、⑤体液過剰(肺水腫、心不全)になります。
Aさんは、呼吸苦・体重増加・全身浮腫・全身倦怠感があり、胸部エックス線写真からも顕著な心胸比の増大が認められることから、心不全が考えられます。心不全は、緊急透析の適応になるため、「2」が正解になります。
(補足)
1について
:AさんのHb値は低値ですが、慢性腎不全による貧血と考えられ、これだけでは緊急透析の適応にはなりえません。よって、正解には該当しません。
3について
:血清カリウムが6.8mEq/Lであり、高カリウム血症の状態にあります。よって、正解には該当しません。
4について
:血清ナトリウムが138.5mEq/Lであることから、血清ナトリウム値は正常になります。よって、正解には該当しません。
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