看護師の過去問
第109回
午前 問115

正解は、4です。

Aさんは、自宅での生活を希望しているため、自宅でやりたいことについて、カンファレンスで確認する必要があります。やりたいことをどのように援助するか、考えるべきです。他の選択肢は該当しません。

正解：4
(解説)
Aさんは、余命4ヶ月程度と告知されており、終末期の段階に入ってきていると言えます。Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」という思いがあるので、そこを踏まえて選択肢の中で、現段階で最も優先順位の高いものがどれか考える必要があります。終末期の看護は、患者のQOLを向上させ、本人の意思を尊重することが大切であり、Aさんの希望を確認し、その実現のために、どのように支援を組み立てていくか考えることが重要になります。よって、正解は「4」になります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1．看取りの場所：Aさんは終末期であり、どこで最期を迎えたいのかAさんと家族と話をすりあわせておく必要があります。しかし、Aさんの現段階での状態は、痛みがなければADLは自立している状態であり、意思疎通も可能です。実際に自宅で社会資源を利用しながら過ごしてみてから、看取りの場所を決定しても遅くはありません。よって、正解には該当しません。

2．ストーマパウチの交換方法：Aさんは、4年前に直腸がんでストーマを造設しています。Aさんのパウチ交換の方法の理解度や技術の取得状況、家族の協力については記載がないため、現段階では問題が特にないとも考えられます。また、ストーマ造設から4年という月日がたっていること、痛みがなければADLは自立しているということ、退院後は訪問看護を導入予定であることを踏まえると、現段階では優先順位は低いと考えられます。よって、正解には該当しません。今後状態の悪化に伴い、ストーマ管理が自己では困難になってくる可能性はあるため、その際には検討していく必要があるでしょう。

3．訪問リハビリテーションの必要性：Aさんは、痛みがなければADLは自立しているため、現段階では訪問リハビリテーションの必要性は高くないと考えられます。よって、正解には該当しません。

正解は、４です。
Aさんと家族は、余命４か月と宣告されており、時期的には終末期にあたります。
余命を宣告された上で自宅へ退院することを望んでいます。
問題文で、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話していることがポイントです。

１、看取りの場所を確認する必要はありますが、終末期とはいえ、まだ会話もできADLもほぼ自立しており、優先度は高くないと考えます。
よって１は不正解です

２、ストーマパウチの交換方法に関しても、本人や家族に情報提供する必要はありますが、このカンファレンスの目的は「今後の支援の方向性を確認」なので、優先度は高くないと考えます。
よって、２は不正解です。

３、Aさんは疼痛コントロールができればほぼADLが自立しているので、急いで訪問リハビリテーションの必要性を説明する必要はないと考えます。
よって、３は不正解です。

４、問題文にあるように、Aさんは「自宅で好きなことをして過ごしたい」と望んでいるので、できるだけやりたいことをできるように、早めに情報収集する必要があるため、正解と言えます。