看護師の過去問
第109回
午前 問116
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問題
看護師国家試験 第109回 午前 問116 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん( 57 歳、男性)は、妻( 55 歳)と長女( 28 歳)の 3 人暮らし。4 年前に直腸癌( rectal cancer )と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命 4 か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1 日 2 回内服し、痛みがなければ日常生活動作〈 ADL 〉は、ほぼ自立している。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきたため、主治医はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキュー薬としてフェンタニルクエン酸塩舌下錠が処方された。
訪問看護師によるAさんの家族への疼痛緩和のための薬物療法の指導で適切なのはどれか。
Aさん( 57 歳、男性)は、妻( 55 歳)と長女( 28 歳)の 3 人暮らし。4 年前に直腸癌( rectal cancer )と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命 4 か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1 日 2 回内服し、痛みがなければ日常生活動作〈 ADL 〉は、ほぼ自立している。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきたため、主治医はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキュー薬としてフェンタニルクエン酸塩舌下錠が処方された。
訪問看護師によるAさんの家族への疼痛緩和のための薬物療法の指導で適切なのはどれか。
- 副作用で便秘が生じた場合には貼付しない。
- 残ったオキシコドン塩酸塩は自宅で保管する。
- レスキュー薬は使用間隔を気にせず使用してよい。
- フェンタニル貼付剤の交換時に家族が貼付面に触れないようにする。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、麻薬の副作用として便秘がありますが、麻薬を中止することで痛みが増強します。貼付剤を貼らないという選択肢はせずに、下剤などで排便コントロールができるよう主治医に相談する必要があります。
2、オキシコドン塩酸塩は麻薬になるので、使用せずに残った場合は、自宅に保管せずに、処方された病院または、調剤薬局へ返却しなければなりません。
3、レスキューで使用しているフェンタニルクエン酸塩舌下錠も麻薬なので、使用間隔を守らずに服用すると、重篤な副作用が出現する可能性があります。
レスキュー薬剤の効果時間が短縮してきた場合は、使用間隔を短くするのではなく、使用する薬剤の変更を主治医に相談するように指導しましょう。
4、フェンタニル貼付剤は皮膚を通して薬剤が吸収します。貼付する時やはがすときは、貼付面に触れないように、家族へ指導する必要があります。
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02
(解説)
医療用麻薬の取り扱いに関する問題になります。フェンタニル貼付剤は、経皮吸収であり、貼付面に触れると、家族も薬剤を吸収してしまい、有害作用が現れる可能性があります。使用済みのフェンタニル貼付剤の貼付面にも薬剤が残っている可能性があるため、誤って触れると同様に有害作用が現れる可能性があります。そのため、フェンタニル貼付剤の交換時、貼付部位以外は貼付面に触れないようにする必要があります。よって、正解は「4」となります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1について:便秘は医療用麻薬の副作用のひとつになりますが、緩下剤の使用で対処が可能です。医療用麻薬は、急な減量や使用の中止は、かえって疼痛コントロールの不良や副作用の増強につながる恐れがあり、必ず医師の指示のもとで行うことが必要です。よって、正解には該当しません。
2について:麻薬性の鎮痛薬の取り扱いは「麻薬及び向精神薬取締法」で規定されています。その法律に基づき、残った薬剤を他者に渡したり、処方された本人以外が使用したりすることは禁じられています。残った薬剤は、麻薬管理者のいる病院や薬局に返却する必要があります。よって、正解には該当しません。
3について:「がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン」では、レスキュー薬は、それぞれの最高血中濃度到達時間から、経口の場合は1時間ごと、経静脈投与・皮下投与の場合は15~30分ごととすることを推奨しています。また、決められた使用間隔を守って使用しなければ、重篤な副作用が出現する可能性があります。よって、正解には該当しません。
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03
1 便秘が生じた場合は、下剤の使用を主治医に相談します。
2 オキシコドン塩酸塩は麻薬なので、自宅では保管せず、薬局に返納します。
3 レスキュー薬は使用間隔通りに服用しないと、重篤な副作用が出現する恐れがあります。
4 フェンタニル貼付剤が家族に触れると、有害事象が起きる可能性があります。
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