看護師の過去問
第109回
午後 問218

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問題

看護師国家試験 第109回 午後 問218 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん( 72 歳、男性)は、2 か月前に右中大脳動脈領域の脳梗塞( cerebral infarction )を発症した。本日、病院を退院し、介護老人保健施設に入所した。
既往歴: 1 年前に前立腺癌( prostatic cancer )のため腹腔鏡下前立腺全摘除術。
身体所見:左上下肢に軽度のしびれがある。半側空間無視がある。構音障害はない。
生活機能:改訂長谷川式簡易知能評価スケール〈 HDS − R 〉26 点、Barthel〈バーセル〉 インデックス 65 点。
入所後 2 日、Aさんは箸を使って食事をするが、いつも左側に置かれた食器には食べ残しがあった。
Aさんへの対応で適切なのはどれか。
  • スプーンの使用を勧める。
  • 反復唾液嚥下テストを行う。
  • 食事の途中で食器の配置を変える。
  • 食器の下に滑り止めマットを敷く。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解3.食事の途中で食器の配置を変える。



半側空間無視

大脳半球の病巣と反対の方向への刺激に気づくことができなくなり注意が向かなくなります。
頭部や視線の動きに障害がなくて起こる症状で、脳梗塞や脳出血発症後に生じます。

半側空間無視を本人が自覚しておらず無関心なことが多いです。基本は、無視がない方向から声をかけて視線を合わせます。
食事は、食事のトレイを無視のない側にずらしたり、食器の位置を変えたりして、見える場所に置くようにします。
移動時、半側空間無視側の車椅子のブレーキをかけ忘れや、危険物への衝突などを起こすことがあるので危険防止が必要です。


1.箸を使用して食事ができているので、スプーンの使用を勧める必要はありません。バーセルインデックス65点で介助を要するが程度は少ないようです。


2.食事に食べ残しはありますが、嚥下障害を疑うような状況ではないと考えられます。


4.半側空間無視により、左側の食器の食べ残しはありますが、食器が滑ったり倒れやすい状況にはありません。現状では必要ないと考えられます。


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02

正解:3. 食事の途中で食器の配置を変える。

半側空間無視は、片方の空間にある物を認識できず、見落としてしまう状態のことです。脳梗塞や脳出血発症後に生じる事が多くあります。

そのため、食事の途中に食器の配置を変え、認識できている右側に見えるように置く必要があります。

1. →箸を使用できていますので、スプーンの使用を勧める必要はありません。
上肢の麻痺があったり、握力低下がある場合は、スプーンの使用を進めます。

2. →反復唾液嚥下テストは、嚥下障害がある場合に行われますが、Aさんは嚥下障害を疑うような状態ではありません。

4. →上肢の麻痺があったり、握力低下がある場合は、滑り止めマットを使用して、片手でも食事摂取が出来るよう工夫します。しかし、Aさんは箸を使って食事できていますので、滑り止めマットは必要ないと考えられます。

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03

1.右側は箸を使用して、食事が取れています。

2.食事の様子から、嚥下機能に問題があるようには
 思えません。

3.正解です。左半側空間無視による食べ残しと考え
 食事途中で食器の配置を健側へ変えたりします。

4.食器が滑ったり転落する様子は、設問からは伺え
 ません。

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