看護師の過去問
第109回
午後 問222
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問題
看護師国家試験 第109回 午後 問222 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aちゃん( 5 歳、男児)は、2 日前に 39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が 4 回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎( meningitis )の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)( mumps )罹患児が数名いる。
既往歴:特記すべきことはない。
予防接種歴:年齢相応の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。
家族歴:両親は流行性耳下腺炎( mumps )罹患の既往がある。妹のBちゃん( 3 歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎( mumps )罹患の既往はない。
身体所見:体温 39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig〈ケルニッヒ〉徴候あり。
検査所見:白血球 8,760 /μL。血清アミラーゼ 834 U/L(基準 44 ~ 132 )、CRP 0.1 mg /dL。
Aちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院 3 日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。
父親への看護師の回答で適切なのはどれか。
Aちゃん( 5 歳、男児)は、2 日前に 39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が 4 回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎( meningitis )の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)( mumps )罹患児が数名いる。
既往歴:特記すべきことはない。
予防接種歴:年齢相応の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。
家族歴:両親は流行性耳下腺炎( mumps )罹患の既往がある。妹のBちゃん( 3 歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎( mumps )罹患の既往はない。
身体所見:体温 39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig〈ケルニッヒ〉徴候あり。
検査所見:白血球 8,760 /μL。血清アミラーゼ 834 U/L(基準 44 ~ 132 )、CRP 0.1 mg /dL。
Aちゃんは入院の翌日も発熱が続いたが、頭痛は軽減し嘔気は消失したため経口摂取を開始した。入院 3 日、体温は微熱となり食欲が回復したことから、翌日の退院が決定した。耳下腺は縮小しつつあるが圧痛がある。父親から看護師へ「退院後、何か注意することはありますか」と質問があった。
父親への看護師の回答で適切なのはどれか。
- 「Aちゃんの精巣の腫れに注意してください」
- 「Aちゃんは退院後 1 週間は登園できません」
- 「Aちゃんの耳の聴こえ方に注意してください」
- 「AちゃんからBちゃんへの感染予防には明日までのワクチン接種が効果的です」
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この過去問の解説 (3件)
01
流行性耳下腺炎
ムンプスウイルス感染により耳下腺が腫脹する感染症です。
発熱や耳下腺腫脹は痛みを伴います。
合併症として、髄膜炎・脳炎・膵炎・難聴などがあります。成人男性には睾丸炎、成人女子には卵巣炎が見られることがあります。
ムンプスウイルスが内耳感染を起こして難聴が起こります。一側性に急性発症して、聴力低下は重症のことが多く改善しにくいと言われています。
(厚生労働省 流行性耳下腺炎 参照)
1.思春期以降に感染した男性の約30%に睾丸炎を起こします。Aちゃんは5歳で罹患したので、睾丸炎の可能性は少ないです。
2.「耳下腺・顎下腺・舌下腺の膨張が発現して5日経過し、かつ全身状態が良好になっていること」
厚生労働省:保育所における感染対策ガイドラインにあります。症状が改善し全身状態が回復すれば登園可能になります。
4.ワクチン接種してもすぐに免疫が獲得できるわけではありません。予防接種の状況を把握して、定期予防接種と任意予防接種を行います。
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02
ムンプスウイルスによる合併症は髄膜炎の他、睾丸炎(思春期以降)、卵巣炎(思春期以降)、難聴、膵炎などがあります。
ムンプス難聴は患者の0.1~1%にみられ、片耳だけの難聴がほとんどです。
特に、子どもの場合は難聴になってもすぐには気付かれないことがあるため、注意して観察する必要があります。
1. →睾丸炎は、思春期以降の男性で生じやすいです。
2. →学校保健安全法の規定されている通り、「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後5日経過し、かつ全身状態が良好になる」状態であれば、登園可能です。
4. →ムンプスウイルスは、感染力が強く、家庭内感染も多いため、すでに感染している可能性もあります。接触後2〜3週間して、Bちゃんに症状が出なければ、任意予防接種を勧めます。
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03
の男性に合併する場合があります。
2.学校保健安全法では「腫脹が発現して後5日を経過
し、かつ全身状態が良好になるまで」とあるので、
退院翌日から登園可能です。
3.正解です。ムンプス難聴による聞こえ方の変化に
注意が必要です。
4.ムンプスウィルスは比較的感染力が強く、すでに
感染している可能性もあり兄弟間の感染予防に効果
があるとは言い切れません。
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