看護師の過去問
第110回
午前 問40
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問40 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 63歳、男性)は、右肺癌( lung cancer )で化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。
この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。
この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。
- 非オピオイド鎮痛薬
- 弱オピオイド鎮痛薬
- 強オピオイド鎮痛薬
- 鎮痛補助薬
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です。
WHOの3段階の除痛ラダーは、以下のようになっています。
第一段階では、初期の疼痛に対し、非オピオイド鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン製剤)の使用を開始します。
第二段階では、軽度から中程度の疼痛に対し、弱オピオイド(コデインやトラマドール)を追加投与します。
第三段階では、中等度から高度の疼痛に対し、弱オピオイドから強オピオイド(モルヒネ・フェンタニル・オキシコドン・タペンタドール)へ変更して投与します。
このように、段階的に鎮痛剤を使用して疼痛の軽減をはかります。
また、適切な血中濃度の維持のため厳密な服薬管理が必要です。
この他にも、コントロールできない突発的な疼痛に対して、レスキュードーズと呼ばれる補助的に速放性のある鎮痛薬頓用を追加投与することもあります。
1 .非オピオイド鎮痛薬は、第一段階で使用されます。
2 .弱オピオイド鎮痛薬は、第二段階で使用されます。
3 .強オピオイド鎮痛薬は、第三段階で使用されます。
4 .鎮痛補助薬は、レスキュードーズなどの臨時で使用されます。
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02
◯ 1.非オピオイド鎮痛薬
WHO方式三段階除痛ラダーでは、以下のように定められています。
第一段階:軽度の痛みに対し非オピオイド鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)を開始する。
第二段階:軽度から中等度の痛みに対し弱オピオイド(コデインやトラマドール)を追加する。
第三段階:中等度から高度の痛みに対し弱オピオイドから強オピオイド(モルヒネ・フェンタニル・オキシコドン・タペンタドール)に切り替える。
今回のケースでは、痛みを自覚したばかりなので、第一段階(NSAIDsやアセトアミノフェン)から開始するのが適しています。
第一段階の薬剤は、オピオイド製剤とは作用機序が異なるため、基本的に継続します。
✕ 2.弱オピオイド鎮痛薬
NSAIDsやアセトアミノフェンでは疼痛をコントロールしきれない場合の選択となります。第二段階にあたります。
✕ 3.強オピオイド鎮痛薬
第三段階にあたります。
✕ 4.鎮痛補助薬
鎮痛補助薬は、本来痛みの治療のために開発されたものではないが、痛みの治療に用いられている薬剤の総称です。鎮痛薬と併用することで効果を発揮します。抗うつ薬、抗てんかん薬などが該当します。
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03
正解は1です。
WHOの除痛ラダーとはがん性疼痛に対する薬物療法の指標になります。
疼痛の強さにより3段階に分かれています。
第一段階:軽度の痛みに対し使用します。
非オピオイド鎮痛薬:NSAIDsやアセトアミノフェンなど
第二段階:軽度から中等度の痛みに対し使用します。
弱オピオイド鎮痛薬:コデインやトラマドールなど
第三段階:中等度から高度の痛みに対し使用します。
強オピオイド鎮痛薬:モルヒネやフェンタニル、オキシコドン、タペンタドールなど
鎮痛補助薬:薬効に鎮痛作用はないが、鎮痛薬と併用すると鎮痛効果を増強させ、特定の状況下で鎮痛効果を発揮する薬物の事です。
抗うつ薬、抗けいれん薬などがあります。
この事例の場合は抗がん剤の治療経過中に痛みが出現したため、検査を行い骨転移が発見されています。
1.痛みが出現初期であり、非オピオイド鎮痛薬の使用が望ましいと思われます。
痛みの増強程度により、徐々にオピオイド鎮痛薬の使用へ移行していくことがいいでしょう。
2.さらに痛みが増強、痛みの程度が強くなっていくとともに使用を検討します。
3.弱オピオイド鎮痛薬使用でも効果がみられなくなった場合に使用を検討します。
4.鎮痛補助薬単体では鎮痛効果がありませんので、非オピオイド鎮痛薬やオピオイド鎮痛薬と併用して使用します。
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