看護師の過去問
第110回
午前 問42

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問題

看護師国家試験 第110回 午前 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん( 50歳、男性)は肝硬変( cirrhosis )と診断され、腹水貯留と黄疸がみられる。
Aさんに指導する食事内容で適切なのはどれか。
  • 塩分の少ない食事
  • 脂肪分の多い食事
  • 蛋白質の多い食事
  • 食物繊維の少ない食事

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

肝硬変とは、B型、C型肝炎や多量や長期の飲酒などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行し肝臓が硬くなった状態をいいます。

肝臓は代謝や解毒、胆汁の生成や分泌するなどの機能があります。

肝機能が半分以下に落ちないと症状が出現しないため、無症状であることが多いですが、さらに進行すると食欲不振や全身の倦怠感が出現します。

また、黄疸や肝性脳症、腹水や浮腫が出現します。

問題では症状として腹水貯留と黄疸が出現しています。

1.腹水が出現している場合には塩分制限を行います。5~6g/日程度に制限します。

2.脂肪は劣化すると過酸化脂質と言われ肝臓の負担になります。

脂肪分の少ない食事が望ましいです。

3.肝機能が低下すると蛋白代謝機能が低下するため、蛋白質の少ない食事を摂取します。

4.便通をよくするために、食物繊維を多く含む食事を摂取します。

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02

 1.塩分の少ない食事

 過剰な塩分は体内に水を溜めやすく、腹水が貯留している状態では塩分制限を行います。

 

 肝臓には

 ①代謝(糖や蛋白質を分解し栄養素を貯蔵しています)

 ②毒の中和(アンモニアや乳酸、ビリルビンなどを無毒化しています)

 ③胆汁の分泌(胆汁は十二指腸へと流れ、脂肪分解を助けます)

 などの役割があります。肝硬変の患者には、これらの機能に負担をかけないような食事指導が必要です。

 2.脂肪分の多い食事

 肝臓は脂肪の代謝を手伝う胆汁分泌を行っています。負担をかけないよう低脂肪の食事にする必要があります。 

 3.蛋白質の多い食事

 肝臓は蛋白質の代謝を担っているため、負担をかけないように低蛋白の食事にする必要があります。

 4.食物繊維の少ない食事

 腹水が貯留していると、水分が腹水に取られて便が固くなったり、腸を圧迫したりして、便秘に傾きやすいです。食物繊維を多く摂るとよいでしょう。

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03

正解は1です。

肝硬変( cirrhosis )で、症状として腹水貯留と黄疸がみられる際の食事指導としては、黄疸と腹水を悪化させない内容にしていく必要があります。


1 .塩分の少ない食事は、腹水を悪化させることがなく、適切な食事内容です。
2 .脂肪分の多い食事は、肝臓で分解、代謝といった機能に負担をかけることから、不適切です。
3 .蛋白質の多い食事は、アンモニアの過剰生成につながります。肝硬変の悪化を招くことから、不適切です。
4 .食物繊維の少ない食事は、便秘リスクとなります。食物繊維を多くとり、便秘を予防することが必要です。

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