看護師の過去問
第110回
午前 問62

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問題

看護師国家試験 第110回 午前 問62 (訂正依頼・報告はこちら)

選択的セロトニン再取り込み阻害薬<SSRI>で正しいのはどれか。
  • パニック障害( panic disorder )に対して有効である。
  • 抗コリン作用は三環系抗うつ薬よりも強い。
  • うつ症状が改善したら使用はすぐに中止する。
  • 抗うつ効果の評価は使用開始後3日以内に行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解: 1. パニック障害( panic disorder )に対して有効である。

<選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)>

  • うつ病などでは、脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の働きが不調になることで、抑うつや不安などの症状を現します。
  • SSRIは、この脳内のセロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニンの働きを増強することで、症状を抑える働きがあります。
  • 適応:うつ病だけでなく、セロトニンの働きが深く関わるとされる強迫性障害パニック障害などにも使用されます。

2. →SSRIは、三環系抗うつ薬よりも抗コリン作用は少なくなっています。

SSRIは抗うつ薬の中で第三世代にあたり、第一世代の三環系抗うつ薬に比べて副作用が少なくなっています。

3. →うつ症状が改善しても、再発予防のために継続して内服することが望ましいです。

また、急に服用を中断すると離脱症状(悪心、悪寒、めまい、不安、易怒性など)が生じることがあるため、中止する際には徐々に減量する必要があります。

4. →治療効果の出現時期は、服用を開始してから大体2〜4週間とされています。

抗うつ効果の評価は、この時期に行うことが望ましいです。

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02

正解は1「パニック障害に対して有効である」です。

選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI)はセロトニンの再取り込みを阻害し、うつ状態を改善する作用があり、抗コリン作用が少ないと言われています。(抗コリン作用とは、錯乱、かすみ目、便秘、口腔乾燥、ふらつきと平衡感覚の喪失、排尿の開始困難などの症状のこと)

1.SSRI=うつ病の薬と思いがちですが、パニック障害にも有効な薬です。

2.上記の通りSSRIは抗コリン作用が少ないので使いやすいお薬です。

3.効果があったからすぐに内服中止というのは基本的にあまり無い考え方です。特に精神科の内服薬は医師の指示のもと慎重に減量していくものです。不正解です。

4.抗うつ薬の効果は少なくとも2週間程度は期間を要します。短期間での薬の評価は逆効果です。不正解です。

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03

正解は1です。

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とは抗うつ薬の一種で、シナプスにおけるセロトニンの再吸収に作用することでうつ症状、病気での不安感の改善を行う薬です。

1.SSRIのうち、塩酸セルトラリン(商品名:ジェイゾロフト、セルトラリン、アメルなど)はうつ病、パニック障害、外傷性ストレス障害に効果があります。

パロキセチン塩酸塩水和物(商品名:パキシル、パロキセチンなど)はうつ病、パニック障害、強迫性障害、社会不安障害に対し効果があります。

2.抗コリン作用は三環系抗うつ薬に比べると弱い傾向にあります。

抗コリン作用とは神経伝達物質、アセチルコリンを抑える作用で、便秘や排尿障害、口喝、胃部不快感などの副作用のことをいいます。

三環系抗うつ薬は、脳内のセロトニン、ノルアドレナリン活性を高めることで抗うつ効果を発揮します。古くからある抗うつ薬で抗コリン作用が強い特徴があります。

3.抗うつ症状が改善しても医師の指示にて内服は継続します。一般的に軽快後も1ヵ月程度は内服を継続します。また、中断、減少にて中断症候群(めまいや耳鳴り、しびれ、ふらつきなど)が起こる可能性があり、薬剤の中止は慎重に行う必要があります。

4.抗うつ薬の効果の出現は2週間程度とされており、早期の評価は正しい評価ができず望ましくありません。

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