看護師の過去問
第110回
午前 問69
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問69 (訂正依頼・報告はこちら)
病院における医療安全文化の醸成につながる行動はどれか。
- 食事介助は30分以内で行うルールを決める。
- 他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。
- 薬剤を間違えても影響がない場合は患者に説明しない。
- 水薬の内服時にこぼれた量が少ない場合はそのままとする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2「他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ」です。
医療安全文化とは、「医療に従事する全ての職員が、患者さんの安全を最優先に考え、その実現を目指す態度や考え方およびそれを可能にする組織のあり方」と定義されています。医療機関がより良い医療安全文化を作り出すことで、医療チームの能力の工場やコミュニケーションエラーの減少、医療の質の向上などが期待できます。
1.食事介助の場面では、誤嚥や窒息といったアクシデントが良く起こります。30分という時間的制約を患者さんに課してしまっては、患者さんが焦って誤嚥する可能性は十分考えられます。食が細い患者さんに対して、だらだらと介助を続けずに、30分程度で切り上げるというのは悪くはないですが、食事介助を30分で切り上げるルールを作っても、安全な食事介助にはつながらないと考えられます。不適切です。
2.インシデントの共有というのは非常に有効な手段です。起きてしまったインシデントについて背景や理由、対策をしっかり共有することで、同じインシデントが起きるのを防ぐ効果があります。また経験年数が浅いスタッフの知識習得にもつながります。
3.薬剤の誤投与が患者に影響があるか無いかの問題ではありません。間違いがあったという事実をきちんと患者さんへ説明し、その上で問題はないことを伝えるというのが正しい対応です。
4.こぼれた量の問題ではありません。投与すべき薬剤の量が少なくなってしまっては、薬剤の効果が薄れてしまうことも十分考えられます。こぼれた分を正確に計量することができるのであれば、足りない分を与薬し、計量することが困難なのであれば、患者さんへ説明し薬剤師や医師へ対応方法を確認する必要があります。不適切です。
「医療安全文化の醸成」という聞きなれない言葉を聞いて焦ってしまうかもしれませんが、選択肢の文章を読み、明らかに間違っていると思うものを消去していけば、正解にたどり着けると思います。
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02
正解は2です。
安全文化の醸成している状態とは、多くの人が安全最優先の価値観を持ち、主体的に安全確保に取り組んでいる状態をいいます。最大の目標は事故を未然に防ぐことで、そのために潜在的リスクを発見、解決することが重要となってきます。
医療安全とは、医療事故や医療訴状などを起こさないための対策、起きた場合の対策に取り組み、安全な医療サービスを提供できるようにすることです。
1.食事時間の目安として30分というものはありますが、必ず30分以内で終わらせるというルールはありません。患者さんの嚥下状態や体位保持能力などにより変化するものです。
食事介助を急ぐと誤嚥や窒息のリスクも高くなり危険です。
2.インシデントを全体的に共有することで、リスクを明確化し、再発防止の対策を行うことができます。また、リスクを知ることにより自己でのリスク回避の意識が高まり、事故を防ぐことにつながるためヒアリハットも共有し対策することが重要であり、多くの医療現場で行われています。
3.影響がない場合であっても、事故を起こしたことに変わりはないため患者さんに十分説明する必要があります。また、医師や他の看護師への報告をすることで再発防止の対策の検討ができるため報告を行う必要があります。
4.水薬であっても個々の状態にあった用量を処方しているため、少量だとしても誤差があってはいけません。きちんと報告し、その後の与薬に影響がないようにする必要があります。
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03
正解: 2 .他の病棟で起こったインシデントについて学ぶ。
<医療安全文化>
医療安全文化は、「医療に従事する全ての職員が、患者の安全を最優先に考え、それを実現させるための態度や考え方および組織のあり方」のことをいいます。
例えば、インシデントを報告することで失敗を責められるかもしれないと思い、小さなインシデントは報告されにくいという現状がありました。
しかし、罰せずに公正に報告出来る文化を作り、お互いに学ぶ組織作りに醸成していくことが必要とされています。
他の病棟で起こったインシデントを学ぶことで、事故発生の原因やリスクを知ることができ、普段から注意して業務を行い、事故予防に繋げることが出来ます。
1. →食事介助が必要な患者の中には嚥下障害の場合もあり、患者のペースに合わせずに食事介助を行うと、誤嚥に繋がったりする可能性があります。
食事介助を30分以内に決める必要はありません。
3. →患者に影響がなくても、薬剤を間違えた場合は、患者に説明する必要があります。
また、インシデントとして、他のスタッフと共有することで、同じような事故の発生を防ぐことが出来ます。
4. →水薬など必要な薬は、きちんと正しい量を予薬する必要があります。
溢れてしまった場合は、その分を予薬して正しい量になるように調整しましょう。
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