看護師の過去問
第110回
午前 問88
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問題
看護師国家試験 第110回 午前 問88 (訂正依頼・報告はこちら)
尿管結石症( ureterolithiasis )の治療で適切なのはどれか。2つ選べ。
- 尿路変更術
- 血管拡張薬の投与
- カルシウム製剤の投与
- 体外衝撃波砕石術<ESWL>
- 非ステロイド系抗炎症薬の投与
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4.5です。
尿路結石症とは尿の成分が結晶化した結石が尿管の途中に引っかかることで、激しい側腹部の痛みや血尿が起こる病気です。
結石で尿の流れが悪くなると腎機能が低下します。
30代~50代に多く、女性よりも男性に多い傾向があります。
1.尿路変更術は膀胱がんなどで膀胱を摘出した場合に行う手術です。尿管閉塞時に行う腎瘻もこれにあたります。
2.血管拡張薬は狭心症や脳血管障害に使用されることが多いです。
尿路結石では結石を体外へ排出させるために利尿薬や抗コリン薬が使用されます。
結石による痛みに対し鎮痛薬を使用する場合もあります。
3.カルシウム製剤の使用は予防的に投与する場合がありますが治療法ではありません。
結石の成分はシュウ酸カルシウムであり、結石形成抑制を目的にシュウ酸の吸収を抑えるため多めのカルシウムの摂取が推奨されています。
4.体外衝撃波砕石術(ESWL)は尿路結石の治療として有効です。
10ミリ以上の結石では自然排出が望めないため、薬物治療と並行し手術を行うことが多いです。
体外衝撃波砕石術は外科的手術ではなく体外より衝撃波をあて、結石を粉砕し体外へ排出する方法です。
尿道から内視鏡や機材を挿入し、レーザーで直接結石を砕く「経尿道的尿管砕石術:TUL」という方法もあります。
5.結石が4ミリ以下の場合は薬物療法が有効です。
非ステロイド系抗炎症薬の投与は尿管の閉塞で生じる疼痛に対する応急処置として用いられます。
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02
正解: 4. 体外衝撃波砕石術<ESWL> 5. 非ステロイド系抗炎症薬の投与
<尿管結石症>
尿管に結石が出来る状態で、尿路を塞ぐと激しい疼痛などを引き起こす病態のことをいいます。
症状::疼痛、血尿、頻尿、発熱、水腎症など。
治療:疼痛も閉塞もない場合は、治療する必要はありません。
疼痛はあるが結石が1cm未満の場合、水分摂取と内服治療(鎮痛剤や排石促進剤)。
結石が1cm以上の場合、薬物療法の他に以下の手術療法を組み合わせて行われます。
①ESWL(体外衝撃波結石破砕術)…体外から衝撃波を与えて結石を砕く方法。
②TUL(経尿道的尿管結石除去術)…尿道から尿管内に内視鏡を入れて結石を砕く方法。
③PNL(経皮的結石除去術)…背中から腎臓に穴を開けて内視鏡を挿入し、結石を破砕し直接摘出する方法。
1. →尿路変更術は、膀胱がん等により膀胱を摘出しなければならない場合に、尿の排出経路を新たに確保するための手術法です。腹壁に作成された尿の排出孔を、尿路ストーマといいます。
2. →尿管結石では、排石促進剤として抗コリン薬などが使用されます。
血管拡張薬は、前立腺肥大で尿道が狭くなった場合などで使用されます。
3. →高シュウ酸尿タイプの結石症の場合、尿路結石の再発予防のために、食事でのカルシウム摂取を勧めますが、カルシウム製剤は、基本的には結石形成に至る場合があるため投与されません。
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03
正解は4「体外衝撃波砕石術<ESWL>」5「非ステロイド系抗炎症薬の投与」です。
<尿管結石症>
尿管に尿成分の一部が析出・結晶化し、結石として尿管内に留まった状態をいいます。青年、壮年期の男性に好発します。腎部疝痛や下腹部から会陰へ広がる痛みの他、血尿を認めることも多いです。治療としては、痛みに対して鎮痛薬や抗炎症薬を使用すること、飲水量を多くして2L/日以上の尿量になるよう利尿を図り、結石の自然排出を促します。手術療法としては体外衝撃波砕石術(ESWL)を行います。
1.尿管結石症において、結石が尿道に留まってしまえば尿閉が起き、水腎症という命に関わる状態になることはありえます。しかしだからといって尿路を変更しても何も解決しません。尿管結石症において解決すべきは結石を取り除くことです。尿路変更は膀胱がんなどにより尿路に通過障害を来した場合に行われるものです。
2.血管拡張薬は血管系の疾患で使われる薬剤です。血管を拡張させても尿路結石は排出できません。
3.血中カルシウム濃度が上昇することで、尿中カルシウム濃度も上昇し、そのカルシウムによって結石ができることも考えられるため、カルシウム製剤の投与は基本的には行いません。
4.上記の通りESWLは尿管結石症の外科的治療法です。
5.尿管内を結石が通過する際に激痛が生じます。結石を排泄しない限りその激痛は消えないので内服薬で症状コントロールをします。鎮痛薬や抗炎症薬などが使われます。
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