看護師の過去問 第110回 午前 問90
この過去問の解説 (3件)
正解: 2. 体重減少 4. 歩行速度の低下
フレイルとは、加齢に伴う様々な機能変化や予備能力低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態のことです。
身体的フレイルの評価基準は、Friedらが発表した項目が使用されることが多いです。
①体重減少 ②筋力低下 ③疲労 ④歩行速度の低下 ⑤身体活動の低下
このうち3つ以上が該当する場合、身体的フレイルであると判定されます。
1. →視力低下は、加齢に伴う生理的老化ですが、フレイルの評価基準には含まれません。
2. →体重減少は、身体的フレイルの評価基準に含まれます。
6ヶ月で2〜3kg以上の体重減少が基準とされています。
3. →聴力低下は、加齢に伴う生理的老化ですが、フレイルの評価基準には含まれません。
4. →歩行速度の低下は、身体的フレイルの評価基準に含まれます。
通常歩行速度が1.0m/秒以下が評価基準とされています。
5. →腸蠕動運動の低下は、フレイルの評価基準には含まれません。
生理的老化により、副交感神経の働きが低下することにより腸蠕動運動が低下し、便秘になりやすくなります。
正解は2「体重減少」4「歩行速度の低下」です。
フレイルとは、年齢を重ねたことによる筋力の低下や、疲れやすくなり家に閉じこもりがちになるなど、加齢により生じやすい衰え全般を指すもので、健常から要介護へ移行する中間の段階のことを言います。
<フレイルのチェック項目>
①体重減少(半年で2~3Kg減少)
②握力が弱い(男性26Kg、女性16Kg未満)
③疲労感がある(わけもなく疲れた感じがする)
④歩くのが遅い(歩行速度1.0m/秒未満)
⑤運動習慣が無い
1.視力低下はフレイルのチェック項目にはありません。
2.半年で2~3Kgの体重減少はフレイルのチェック項目に該当します。
3.聴力低下はフレイルのチェック項目にはありません。
4.歩行速度1.0m/秒未満の歩行速度の低下は、フレイルのチェック項目に該当します。
5.腸蠕動運動の低下はフレイルのチェック項目に該当しません。
正解は2.4です。
フレイルとは健康と要介護との中間的な状態をいい、加齢によって心身が衰え、社会的つながりが減少した状態をいいます。
身体的フレイルの評価基準項目としては
①体重減少:年間4.5Kgまたは5%以上
②筋力低下
③疲労感:週に3~4日以上
④歩行速度
⑤日常生活活動量
の、5つがあります。
このうち3つが当てはまればフレイルと判断し、1~2つに当てはまればフレイルの前段階と判断します。
フレイル状態になると死亡率の上昇や身体能力の低下がおきます。
1.視力低下は評価基準に当てはまりません。
視力低下は生理的老化のひとつです。視力低下により物につまずき転倒したりしやすくなるため、生活環境の整備は必要になってきます。
2.体重減少は評価基準項目に入ります。
老化により食事量も徐々に少なくなってきます。そのため、栄養状態の悪化の危険もあります。
栄養状態の悪化の影響もあり体重減少が見られます。
3.聴力低下は評価基準に当てはまりません。
生理的老化により感音性難聴があります。高音域の音が聞き取りにくくなるため、他人との会話が億劫になり引きこもりがちになることにより、社会的フレイルになりやすい傾向にあります。
4.歩行速度の低下は評価項目のひとつです。
身体的フレインの評価項目のひとつに筋力低下もあります。筋力低下の影響もあり歩行速度は低下します。
5.腸蠕動運動の低下は評価項目には含まれません。
生理的老化により腸蠕動運動は低下し便秘になりやすくなります。
食事量が低下することも腸蠕動運動が低下する要因にもなり得ます。
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