看護師の過去問
第111回
午前 問14

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

左前胸部から頸部や左上肢への放散痛が生じる疾患はどれか。
  • 胃潰瘍(gastric ulcer)
  • 狭心症(angina pectoris)
  • 胆石症(cholelithiasis)
  • 尿管結石症(ureterolithiasis)

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この過去問の解説 (3件)

01

痛みの原因となる部位とは別の部位に感じる痛み(関連痛)のなかでも、原因となる部位から離れた部位に生じるものを、特に「放散痛」と呼びます。

具体的には、強い内臓痛が脊髄内で隣接する神経線維を刺激し、対応する皮膚分節に痛みが出現します。

選択肢1. 胃潰瘍(gastric ulcer)

胃潰瘍では、心窩部痛と背部や前胸部への放散痛が認められます。

選択肢2. 狭心症(angina pectoris)

狭心症では、前胸部痛と頸部や左肩、左腕への放散痛が認められます。

選択肢3. 胆石症(cholelithiasis)

胆石症では、右季肋部~心窩部痛と右肩への放散痛が認められます。

選択肢4. 尿管結石症(ureterolithiasis)

尿管結石症では、側腹部痛、腰背部痛と外性器や大腿部への放散痛が認められます。

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02

正解2

解説

狭心症は虚血性心疾患のひとつです。

狭心症とは、心臓の冠動脈が閉塞して十分な血液の供給ができない結果、心筋に必要な酸素や栄養が行き届なくなる疾患です。

主な症状は胸痛で、主に胸の中央部から胸全体に広がる放散痛が起こります。胸痛の他に胸部の重圧感、圧迫感、絞扼感を伴います。人によって背中や上腹部、左の腕の内側などに放散痛があります。

狭心症は3種類あります。

①安定狭心症(労作性狭心症)

階段昇降や、重いものを持つ、運動をするなど新艇的な動きの他、心理的なストレスを受けたときに胸痛発作が起こります。

②不安定狭心症

安定狭心症と違い、安静時でも胸痛発作が起こり、発作の回数が増えます。

③異型狭心症

夜、就寝時(特に明け方)や、昼間安静にしているときに、胸痛発作を起こします。冠動脈が攣縮して冠動脈の血流が途絶えることで起こります。

1.胃潰瘍(gastric ulcer)は胃の粘膜に潰瘍できる疾患です。心窩部に起こる胃痛が主症状で、食事中か食後に胃痛が起こります。

3.胆石症(cholelithiasis)は胆道に結石ができる病気の総称です。症状は右肋骨下部、心窩部、右肺部、右肩の疼痛で、食後に現れやすいのが特徴です。

4.尿管結石症(ureterolithiasis)は尿管に結石ができる疾患です。結石が尿管を刺激して背中や腹部に激痛が起こります。

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03

正解は2です。

狭心症は心臓に栄養を送っている冠動脈が動脈硬化などが原因で、血管の中が細くなってしまっている状態です。そのため心臓への血流が少なくなり、酸素が不足してしまうことで胸痛が出現します。左前胸部・頸部・左上肢の他に放散痛が伴うことが多いです。

1:胃潰瘍 潰瘍で露出した神経に胃酸が刺激する痛みに収縮がプラスされることで上腹部痛が出現します。

3:胆石症 胆嚢や胆管に結石がつまることで強烈な腹痛が出現します。

4:尿路結石症 結石が移動して尿路を閉鎖することで疝痛(周期的に反復する発作的な内蔵痛)や鈍痛などを認めます。結石が下降してくると側腹部から下腹部へと放散します。

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