看護師の過去問
第111回
午前 問58
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問題
看護師国家試験 第111回 午前 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
新生児の出血性疾患で正しいのはどれか。
- 生後48時間以内には発症しない。
- 母乳栄養児は発症のリスクが高い。
- 予防としてカルシウムを内服する。
- 早期に現われる所見に蕁麻疹(urticaria)がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
新生児の出血性疾患では、代表的なものに新生児ビタミンK欠乏性出血症があります。
他には、血小板減少症やDIC(播種性血管内凝固症)などがありますが、
この問題は設問の内容から、新生児ビタミンK欠乏性出血症について
答えることになります。
新生児ビタミンK欠乏性出血症は、ビタミンK依存性凝固因子が不足することで
発症します。
ビタミンK欠乏性出血症は、出生から7日までに発症します。
生後2~4日に起こることが最も多いですが、
合併症を持つ新生児、ビタミンK吸収障害を持つ母親から生まれた新生児、
妊娠中にワルファリンや抗てんかん薬を内服していた母親から生まれた
新生児は、出生後24時間以内に発症することがあります。
母乳には、ビタミンKの含有量が少ないため、完全母乳の新生児は発症リスクが
高くなります。
新生児ビタミンK欠乏性出血症の予防として、ビタミンKを投与することで
発症は大幅に防ぐことができます。
ビタミンKは、K2シロップを飲ませることで補うことができます。
早期に現れる初見としては、
皮膚の内出血や、消化管出血による吐下血が高頻度に見られます。
また、頭蓋内出血が発症することもあるため、注意が必要です。
蕁麻疹ではありません。
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02
新生児の出血性疾患で代表的な疾患に新生児ビタミンK欠乏性出血症があります。
解説にこの疾患の特徴を記載していきます。
発症タイミングは出生後7日以内に起こります。出生後2~4日が最も多いですが、出生後24時間以内に起こることもあります。
新生児ビタミンK欠乏性出血症はビタミンK欠乏でおこる疾患です。ビタミンKは胎盤移行性が悪いため、出生時は特に少ない状態になっており発症リスクは高くなっています。母乳中にはビタミンKが少ないため母乳栄養児はさらにリスクが高くなります。
新生児ビタミンK欠乏性出血症はビタミンK欠乏でおこる疾患ですので、現在はビタミンK2シロップを投与する予防方法が普及しています。
新生児ビタミンK欠乏性出血症は吐血・下血で発見されることが多いです。また、頭蓋内出血を起こすこともあります。
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03
正解は 2 です。
ビタミンKが不足すると生じる新生児ビタミンK欠乏性出血症があります。
ビタミンKは血液凝固に関与します。
1.早発型の出血性疾患では、生後24時間以内に発症することがあります。そのため誤りです。
2.母乳に含まれるビタミンKは少ないため母乳栄養児は出血性疾患の発症リスクが高くなります。
人工乳にはビタミンKが添加されています。
3.新生児は出生直後のビタミンKの体内貯蔵が少ないため、予防のためにビタミンK₂シロップを内服します。予防としてカルシウムを服用することはないので誤りです。
4.消化管出血の場合は、吐血や下血によって発見されることが多いです。
頭蓋内出血の場合は、哺乳障害、嘔吐、けいれんなどによって発見されることが多いです。
よって誤りです。
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