看護師の過去問
第111回
午前 問60

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問60 (訂正依頼・報告はこちら)

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫(osteosarcoma)の治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。
看護師のA君への対応として適切なのはどれか。
  • 両親に判断してもらおうと話す。
  • 今の状態では出席は難しいと話す。
  • 出席できるように準備しようと話す。
  • 出席を決める前に体力をつけようと話す。

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この過去問の解説 (3件)

01

小児の緩和ケアでは、苦痛を和らげることはもちろん、生活の質も重視します

患者は、小学6年生であり、意識も清明であることから、

しっかりとした自分の意思があると考えられます。

本人の希望を重視し、なおかつ苦痛がないような方法を提供する必要があります。

選択肢1. 両親に判断してもらおうと話す。

小学6年生であり、意識も清明です。判断を両親に委ねるのではなく、

本人の意思を尊重することが大切になります。

選択肢2. 今の状態では出席は難しいと話す。

終末期ではありますが、意識も清明であり、環境を整えれば出席も可能になります。

本人の希望を頭から否定するのではなく、

可能になる方法を一緒に考えていく姿勢が大切と思われます。

選択肢3. 出席できるように準備しようと話す。

正しい選択肢になります。

本人の意思を尊重し、出席できるような方法を、一緒に考えることが大切になります。

携帯酸素ボンベを使用し、緊急時のため病棟看護師が付き添う、

などの方法がとれると思います。

選択肢4. 出席を決める前に体力をつけようと話す。

終末期であり、食事摂取量も落ちてきている状況です。

今から体力をつけようと励ますのは、

本人の負担になる可能性があります。よって不適切です。

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02

この問題では、小児の緩和ケアについて問われています。

終末期を迎えた小児の看護で大切なことは「苦痛の緩和」「疑問や不安に対して嘘やごまかしを言わない」「子・親の希望を尊重する」「その子らしく日常を送れるよう環境を整える」ことです。

選択肢1. 両親に判断してもらおうと話す。

最終的には両親とも相談することになると考えられますが、A君は小学6年生であり意識も清明であるためA君の希望を尊重し、出席できるよう調整することが求められます。

選択肢2. 今の状態では出席は難しいと話す。

現在の状態は、終末期であること、鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中、食事摂取量は減っている、意識は清明です。

2Lの酸素吸入は携帯用の酸素ボンベで対応できます。その他の状態で出席ができない条件はないため、難しいことではありません。

選択肢3. 出席できるように準備しようと話す。

看護師はA君の希望を尊重し、出席できるよう調整することが求められます。

選択肢4. 出席を決める前に体力をつけようと話す。

A君は終末期であり、体力をつける段階ではありません。また、食欲が落ちており「体力をつけよう」という声掛け自体がA君の負担となる可能性もあります。

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03

正解は 3 です。

1.A君は小学校6年生であり、物事を考え、自身で判断が行える年齢にあると考えられます。

  そのため意思決定を両親に促す発言は適切ではないです。

2.終末期であるが、A君は卒業式に出席したいと意思表明できています。

  A君の意思を否定するような発言は適切ではないです。

3.A君の卒業したいという意思に対し、意思を尊重する発言がされてます。

  よってA君への対応として適切です。

4.A君は食欲減退し、食事摂取量が減少してきていると考えられます。

  体力をつけようという発言はA君の負担になる可能性があり、不適切です。

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