看護師の過去問
第111回
午前 問94

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問題

看護師国家試験 第111回 午前 問94 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文を読み以下の問いに答えよ。

Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全(chronic renal failure)のため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。

Aさんに対する説明として正しいのはどれか。
  • 「食事療法が必要です」
  • 「通院は週に2、3回必要です」
  • 「宿泊を伴う旅行はできません」
  • 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解はです。

連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉とは、腹膜に囲まれた腹腔内に透析液を注入し、一定時間貯留している間に腹膜を介して血中の不要な老廃物や水分を透析液に移行させた後、その液を体外に取り出して血液を浄化する透析方法です。透析液の交換は生活リズムに合わせて患者自身で6時間~8時間ごと、1日2~4回程度、交換時間は20~30分程度必要ですが、それ以外の時間は普通の生活を送ります。

血液透析との違いを理解しておきましょう。各選択肢については以下の通りです。

1:食事制限は、塩分制限、リン制限や腎臓保護のための制限が必要ですが、血液透析よりは緩やかです。

2:通院は月1~2回程度です。血液透析は週2~3回の通院が必要です。

3:透析液・器材の携行は必要ですが、自身のタイミングで宿泊旅行は可能です。血液透析で長期旅行の場合は現地の透析施設への予約が必須です。

4:カテーテル挿入術後は感染予防等を考慮して2~3日はシャワー浴も不可です。

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02

腹膜透析には、連続携行式腹膜灌流法(CAPD)と自動腹膜透析(APD)の2種類があります。

どちらも自分自身の腹膜を、透析の装置として利用する方法です。

腹腔内に糖などの浸透圧物質を多く含んだ透析液を注入し、

4~8時間腹腔内に貯めておくと

腹膜の毛細血管から水分や老廃物、尿毒素などが透析液に移動します。

その液を体外に排出することで、老廃物が除去されます。

CAPDは1日4回程度、透析液のバッグ交換を行い、1回30分ほどの時間で行います。

APDは寝ている間に器械が自動的に透析をしてくれるので、

日中はバッグ交換を行わなくてよいため、比較的自由に過ごせます。

 

選択肢1. 「食事療法が必要です」

透析を行っている患者は、塩分制限、リン制限などの食事療法が必要になってきます。

腹膜透析を行っている方は、血液透析を行っている人より

比較的制限を緩やかにすることが可能と言われています。

選択肢2. 「通院は週に2、3回必要です」

状態が安定していれば、通院は月に1回程度です。

腹膜透析は、自分で在宅で行うことができる透析ですので、

月1回で大丈夫です。

週に2~3回の通院は、血液透析の場合です。

選択肢3. 「宿泊を伴う旅行はできません」

CAPDの器械や透析液の携行は必要ですが、

宿泊を伴う旅行は可能です。

必ずバッグ交換を行えるようなスケジュール調整は必要です。

選択肢4. 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

カテーテル挿入術後の翌日は、感染リスクが高いため、

入浴はできません。

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03

正解は 1 です。

連続携行式腹膜灌流透析(CAPD)は、腹腔内に透析液を注入し、5~6時間ほど貯留させ、その後透析液の交換を行います。透析液が腹腔内に貯留している間に血液中の老廃物を透析液に移行させます。

1.連続携行式腹膜灌流透析(CAPD)では、たんぱく質、塩分、リンなどの食事制限があります。

2.通院は月に1~2回ほどです。週に2~3回の通院が必要なのは血液透析の場合です。

3.透析液や機材を用意していれば宿泊を伴う旅行も可能です。

4.術後は感染の観点から、翌日からの入浴はできません。

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