看護師の過去問
第111回
午前 問99
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問題
看護師国家試験 第111回 午前 問99 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症(hypertension)と心不全(heart failure)と診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:
意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。
体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
入院後10日。入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋ねてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症(hypertension)と心不全(heart failure)と診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:
意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。
体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
入院後10日。入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋ねてきた。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
- 「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」
- 「通勤するときに駅の階段を使いましょう」
- 「水分は1日2,000mL摂りましょう」
- 「塩分を1日9g摂りましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では、心不全の退院指導を行っていきます。
自宅での安定した生活を行っていくためにも、
自宅でのセルフコントロールが重要になってきますので、
患者さんに合わせた内容の生活指導を行っていきます。
心不全患者の退院指導は主に以下の内容があります。
①心不全の症状のチェック(むくみや息切れなどの症状)
②確実な内服を行う
③塩分制限とバランスのとれた食事
④喫煙と飲酒の過剰摂取はやめる(禁煙・禁酒がよい)
⑤体重管理(毎日同じ時間に測定)
⑥感染予防
⑦活動制限に合わせた運動習慣
心不全では、確実な内服を行うことが重要です。
入院前に、「薬を飲んだことを忘れることがあった」という記載があるため、
内服カレンダーの使った方法の提案は適切です。
過度な運動負荷は、心不全を悪化させてしまうため、
活動量については、医師の指示を確認する必要があります。
息切れするような運動ではなく、
通勤時の歩行のみでも、十分な運動量であると考えられます。
心不全では、水分の過剰摂取は症状悪化につながります。
飲水量は制限されることが多く、
適切な飲水量については、医師に確認する必要があります。
心不全では、塩分の過剰摂取は循環血液量を増やし、
心負荷を増加させてしまうため、塩分制限は重要になります。
塩分量は主治医に確認する必要がありますが、
目安は軽症の方で1日7g以下、重症の方で1日3g以下を
目指すことが一般的です。
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02
正解は1です。
心不全の増悪による再入院の引き金となる原因で多いのは、塩分・水分制限の不徹底、感染、治療薬服用の不徹底などが挙げられます。
各選択肢については以下の通りです。
1 .「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」 →〇
Aさんは入院前、「時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった」と記載があるため、服薬を確実に行うための服薬指導は適切です。
2 .「通勤するときに駅の階段を使いましょう」 →×
心臓の予備能力以上の活動や過労などから心不全の増悪をきたす可能性があるため、活動量については医師の指示を確認する必要があります。
3 .「水分は1日2,000mL摂りましょう」 →×
水分の過剰摂取は体液量の増加につながり、心臓に負荷がかかります。医師に水分摂取量の確認が必要です。
4 .「塩分を1日9g摂りましょう」 →×
食塩を多く摂取すると循環血液量が増加して心臓に負担がかかります。軽症の慢性心不全では1日7g以下、重症の慢性心不全は1日3g以下に制限が必要です。
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03
正解は 1 です。
1.内服薬の飲み忘れがあったため、カレンダーを用いて飲み忘れを予防する方法は有効です。服薬指導は適切です。
2.過度な運動は心不全の悪化に繋がります。入院前も体動時の息切れ症状などもあり指導として不適切です。
3.過度な水分摂取は、再度心不全が増悪する可能性があります。
また人によって水分摂取の目安も変わってくるため医師の指示に基づき指導を行う必要があります。
4.日本高血圧学会は食塩を6g/日未満としています。
また、日本循環器学会 急性・慢性心不全診療ガイドラインでも、6g/日未満を推奨しています。
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