看護師の過去問
第111回
午前 問98
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問題
看護師国家試験 第111回 午前 問98 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文を読み以下の問いに答えよ。
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症(hypertension)と心不全(heart failure)と診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:
意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。
体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
診察の結果、Aさんは心不全(heart failure)の悪化を認めたため入院することになり、個室を希望した。入院後、酸素マスクによる酸素療法や利尿薬による薬物療法、塩分制限などの食事療法が開始された。入院3日、夜勤の看護師から日勤の看護師への朝の申し送りで、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと、娘が学校から帰ってくるのを待っていると言って病室の入り口を気にしていたことが報告された。日勤の看護師は、Aさんの睡眠状況を改善する必要があると考え、Aさんへの対応について検討した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症(hypertension)と心不全(heart failure)と診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。
身体所見:
意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。
体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(room air)。
両下肢に軽度の浮腫を認めた。
診察の結果、Aさんは心不全(heart failure)の悪化を認めたため入院することになり、個室を希望した。入院後、酸素マスクによる酸素療法や利尿薬による薬物療法、塩分制限などの食事療法が開始された。入院3日、夜勤の看護師から日勤の看護師への朝の申し送りで、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと、娘が学校から帰ってくるのを待っていると言って病室の入り口を気にしていたことが報告された。日勤の看護師は、Aさんの睡眠状況を改善する必要があると考え、Aさんへの対応について検討した。
看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
- 終日、病室を明るくする。
- 日中眠っていたら覚醒を促す。
- 睡眠導入薬の使用を医師に相談する。
- 夜間覚醒している場合は、夜は眠るよう説得する。
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この過去問の解説 (3件)
01
Aさんは、70歳で日常生活は自立、認知機能は問題なく、普段は電車を使って通勤し、仕事をしている方です。
入院まもなくで、昼夜逆転や見当識障害が出ていることから、
入院や病状悪化のストレスから、一時的な「せん妄」が起きていることが考えられます。
終日病室を明るくしてしまうと、
夜間も明るくて眠れなくなってしまいますので、
該当しません。
せん妄では、
昼夜逆転が起こりやすく、
夜間に症状が強くなってしまいます。
まずは、夜間に睡眠が取れるよう、
日中はなるべく
覚醒を促すことが大切になりますので、
該当します。
睡眠導入薬は、せん妄を引き起こしてしまうリスクがあるため、
投与を避けるべきと言われています。
薬物療法では、抗精神病薬が用いられますので、
該当しません。
夜間せん妄が起こっているときは、
興奮状態であることも多く、
説得は逆効果になります。
まずはじっくりと話を聞き、興奮させないよう声のトーンは落とし、
否定せずに話を聞くようにしましょう。
よって、該当しません。
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02
正解は2です。
入院前のAさんは「日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。」ことから、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと(→昼夜逆転)、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと(→見当識障害)、娘が学校から帰ってくるのを待っている(→娘は現在37歳)といったことから、せん妄状態になっていると考えられます。入院、個室環境、年齢からもせん妄リスクが高いと言えます。
各選択肢については以下の通りです。
1 .終日、病室を明るくする。→×
2 .日中眠っていたら覚醒を促す。→〇
生活リズムを整えるため、日中は明るく、夜間は消灯するといった時間感覚がわかるような環境調整を行います。
3 .睡眠導入薬の使用を医師に相談する。→×
睡眠導入剤の使用によるせん妄の悪化が懸念されます。まずは環境調整から行い、薬物療法を行う場合には抗精神病薬の使用となります。
4 .夜間覚醒している場合は、夜は眠るよう説得する。→×
せん妄状態の患者に、説得は効果があるとは考えにくいです。
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03
正解は 2 です。
入院に伴う環境の変化や身体的ストレスが要因となり、せん妄を発症していると考えられます。
見当識障害、昼夜逆転などがおきています。
1.終日、病室が明るいと生活リズムが狂い、症状が悪化する可能性があるため不適切です。
2.夜間全く眠っていないと情報があるため、日中の覚醒を促し、夜眠れるように介入することが必要になります。規則正しい生活を送れるように介入します。
3.睡眠導入剤にはせん妄を助長させる可能性があるものもあります。まずは生活リズムの改善を図ります。
4.無理な説得は、余計に興奮したりなど助長させる可能性もあります。まずは安心感を与える声掛けや傾聴を行います。
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