看護師の過去問 第111回 午後 問3
この過去問の解説 (3件)
職業性疾病とは、労働条件や環境など職業上の業務に起因する病気のことです。
労働基準法では「業務上疾病」、医学用語では「職業性疾病」といいます。
じん肺とは、粉塵の吸入による肺の繊維化増殖性病変を主体とする疾患です。
呼吸障害は数年から数十年かけて生じ、最終的に肺線維症に至ります。
じん肺には遊離珪酸(採石、採鉱、窯業、金属精錬、研磨など)によって生じる
珪肺や、石綿(アスベスト)によって生じる石綿肺などがあります。
VDT症候群による健康被害としては、この選択肢が正しいです。
VDTとはVisual Display Terminalsの略で、パソコンやスマートフォンや
タブレットなどが、該当します。
VDT症候群とは、液晶などのディスプレイを見ながら、キーボードや
マウスなどを使って長時間作業することにより、目の症状(目の疲れ、
視力低下など)首・肩・腕の症状、精神的症状(イライラ・疲労・不眠
など)などの障害が出ることをいいます。
振動障害とは、チェーンソー・グラインダー・刈払機などの振動工具の
使用により発生する、手指などの末梢循環障害、末梢神経障害、運動器
障害の3つの障害の総称です。
職業性疾病による皮膚障害では、取り扱う化学物質との接触により起こる、
接触性皮膚炎(かぶれ)などがあります。
正解は2です。
「職業性疾病」とは、労働条件や環境など職業上の業務に起因し、特定の業務に従事していることによってかかる、もしくはかかる確率が非常に高くなる病気の総称です。
各選択肢については以下の通りです。
1:粉じんを吸入することにより発症するじん肺は肺の線維化、気管支炎、気管支拡張症等の症状を呈する、古くから知られている代表的な職業病です。鉱物などの掘削作業、金属の研磨作業、アーク溶接作業などの粉じん作業に起因します。
2:VDT 作業とは、パソコン等の OA 機器を操作する作業を指します。VDT症候群には目の症状(眼精疲労、視力障害など)、首・肩・腕の症状(痛み、疲労など)、精神的症状(疲労、イライラ感、不眠など)が挙げられます。
3:振動障害は、ドリルやチェーンソーなどの使用で生じる高周波の振動が、手や手指で吸収され、主に末梢循環障害、末梢神経障害、運動器(骨・関節系)障害を起こしやすいとされます。末梢循環障害の初期には寒い季節の手指の冷えやしびれを自覚し、年数が経つとレイノー現象がみられます。レイノー現象は、さまざまな刺激(寒冷、ストレス、精神的刺激)が生じた際に、指趾細動脈の一過性収縮による皮膚の冷感と、白蝋様の蒼白化が特徴です。
4:職業性疾病による皮膚障害は、化学物質や物理因子(紫外線など)にさらされる業務に起因します。
1 不正解
じん肺は、有害な粉じん・アレルゲン・化学物質・環境汚染物質などを吸入することで生じる呼吸器疾患のことです。
2 正解
VDT作業とは、コンピューターなどの表示機器を使った作業のことです。
VDT症候群による健康障害には、眼精疲労・視力低下などの視力障害、首の痛みや肩こり・腰痛・イライラ・不眠などがあげられます。
3 不正解
職業性疾病における振動障害は、振動工具の使用により発生する手指等の末梢循環障害・末梢神経障害・運動器障害のことをいいます。
4 不正解
職業性疾病における皮膚障害は、取り扱う化学物質との接触によって生じる接触皮膚炎のことです。
解説が空白の場合は、広告ブロック機能を無効にしてください。
また、広告右上の×ボタンを押すと広告の設定が変更できます。