看護師の過去問 第111回 午後 問18
この過去問の解説 (3件)
正解は3です。
左心不全では、肺からの血液が戻ってこられない『肺うっ血に伴う呼吸器症状』と、全身に血液を送れなくなる『低心拍出量に伴う症状』が主になります。
肺からの血液が戻ってこられないと肺に血液が鬱滞して労作時の息切れ、起座呼吸、咳、喘鳴などを認めます。
全身に血液が送れなくなると易疲労感、低血圧、意識障害、尿量低下などが出現します。
右心不全では、『静脈系のうっ滞による症状』が主になります。
全身からの血液が心臓に戻ってこられないために全身に血液が鬱滞してしまい、浮腫、体重増加、食思不振などを認めます。
各選択肢については以下の通りです。
1 .肝腫大:右心不全→体循環系の静脈うっ血→肝腫大が出現
2 .下腿浮腫 :右心不全→体循環系の静脈うっ血→毛細血管圧の上昇→全身浮腫
3 .起坐呼吸 :左心不全→肺に血液が鬱滞→臥床すると体内の血液が心臓に戻りやすくなる→心臓が対応できない→肺に血液が鬱滞→呼吸困難→座位で症状緩和
4 .頸静脈怒張:右心不全→右心房に血液が鬱滞→頸動脈怒張
左心不全では、左心室の機能低下により肺うっ血をきたし、息切れや呼吸困難などの症状がみられます。
×:誤り
肝腫大は、右心不全の症状です。
右心不全では、右心室のポンプ機能の低下により、肺に送れなかった血液が右心系に滞ります。
×:誤り
下腿浮腫は、右心不全の症状です。
右心不全では、右心室のポンプ機能の低下により、肺に送れなかった血液が右心系に滞ります。
全身から心臓に戻る静脈血も滞るため、全身の浮腫があらわれます。
○:正しい
左心不全では、左心室の機能低下により肺うっ血をきたし、呼吸困難の症状がみられます。
起坐位になることで静脈還流量が減り、呼吸が楽になります。
×:誤り
頸静脈怒張は、右心不全の症状です。
右心不全では、右心室のポンプ機能の低下により、肺に送れなかった血液が右心系に滞ります。
頸静脈怒張とは、立位や座位でも血管が拡張して皮膚の表面から見える状態を指します。
3 正解
左心不全の特徴は、肺循環系のうっ血です。
症状としては、心拍出量低下による症状(動悸・易疲労感・低血圧・冷汗など)や肺うっ血症状(労作時呼吸苦・起坐呼吸など)です。
1.2.4 不正解
これらは右心不全の症状なので不適切です。
右心不全は、肺に送り出しきれなかった血液が右心系にうっ滞し、全身からの静脈血の心臓への循環を滞らせます。
症状は、浮腫・体重増加・肝腫大・頸静脈怒張・腹水などです。
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