看護師の過去問 第111回 午後 問52
この過去問の解説 (3件)
加齢とともに心血管系の機能は低下します。
主に、心拍数の低下、心拍出量の低下、循環血液量の減少、末梢血管抵抗の増大、動脈硬化などが起こります。
×:誤り
運動時の心拍出量は、加齢とともに低下します。
×:誤り
加齢により動脈壁の弾性が低下すると、拡張期血圧は低下します。
収縮期血圧と拡張期血圧の差を脈圧といい、動脈硬化の指標の一つとなっています。
○:正しい
加齢に伴い末梢血管抵抗が増大することで、血液を送り出すのにさらに大きな力を要するようになり、負担が増した心筋は厚くなります。
この状態を心肥大といい、心臓の機能が低下した状態を指します。
×:誤り
加齢により末梢血管抵抗は増大するため収縮期血圧は上昇する一方で、拡張期血圧は低下します。よって、脈圧は増大します。
脈圧が大きい場合は、太い血管の動脈硬化が疑われます。
今回は「加齢に伴う高齢者の循環器系の変化」に関する問題です。
高齢になると、心臓血管系では心臓の壁が厚くなる心臓肥大や心臓が広がりにくくなる拡張障害などの変化を起こします。
その結果、血圧は年々収縮期血圧が特に上昇しやすくなり、拡張期血圧は低下します。
つまり、収縮期血圧と拡張期血圧の脈圧は大きくなっていきます。
加齢に伴う心筋の線維化や血管の弾力性が低下することにより、運動時の心拍出量も低下します。
よって、選択肢の記述は不正解です。
高齢になると、収縮期血圧が上昇しやすくなり、拡張期血圧は低下しやすくなります。
よって、選択肢の記述は不正解です。
高齢になると、末梢血管抵抗が増大します。
また収縮期血圧も上昇しやすいため、心室収縮に対する抵抗が増すことで、負荷を受ける左心室壁が厚くなります。
よって、選択肢の記述は正解です。
高齢になると、血圧は年々収縮期血圧が特に上昇しやすくなり、拡張期血圧は低下します。
つまり、収縮期血圧と拡張期血圧の脈圧は大きくなっていきます。
よって、選択肢の記述は不正解です。
今回は「加齢に伴う高齢者の循環器系の変化」に関する問題でした。
加齢に伴う高齢者の身体的特徴は国試で問われやすい内容です。
これを契機に循環器系以外の高齢者の身体的特徴もおさえておくと良いと思います。
正解は3です。
加齢により心筋の間質に異物が沈着し、心臓の筋肉の線維化が進み、心臓肥大、拡張障害などがおこります。また、収縮期血圧は上昇し、拡張期血圧は低下することが多くなるため、血圧の上と下の差が大きくなる(=脈圧の増大)のが高齢者の循環器系の特徴です。
各選択肢については以下の通りです。
1 .運動時の心拍出量は低下します。
2 .拡張期血圧は低下します。収縮期血圧は上昇します。
3 .心室壁が厚くなります。
4 .脈圧は増大します。
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