看護師の過去問
第111回
午後 問54
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問題
看護師国家試験 第111回 午後 問54 (訂正依頼・報告はこちら)
令和元年度(2019年度)「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果において、養護者による高齢者虐待に関する説明で正しいのはどれか。
- 夫による虐待が最も多い。
- 被虐待者の9割が女性である。
- 心理的虐待が全体の6割を占めている。
- 被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多い。
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この過去問の解説 (3件)
01
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」は、平成18年に施行された法律です。
高齢者虐待に関する問題は頻出問題のため、実態調査で発表される虐待の種類や虐待者の特徴などを覚えておきましょう。
×:誤り
虐待を行った養護者の続柄で最も多いのは、息子で39.9%です。
次いで夫が22.4%であり、同居家族からの虐待が多いです。
×:誤り
被虐待者は女性の方が多いですが、75.2%にとどまります。
×:誤り
虐待の種類で最も多いのは、身体的虐待で68.2%です。
次いで心理的虐待が41.4%です。
○:正しい
被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡ以上が72.2%であり、そのうちランクⅡが最も多いです。
認知高齢者の日常生活自立度判定基準のランクⅡは、ADLはおおむね自立しているが、服薬管理や金銭管理ができないなど、一部の介助が必要で独居は難しい場合が多いです。
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02
今回は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果に関する問題です。
選択肢について1つずつ確認していきます。
養護者(家族などの介護している人)のうち、虐待者としては息子40.2%が最も多いです。
夫による虐待の割合は21.3%と息子に次いで多いです。
よって、選択肢の記述は不正解です。
被虐待者(虐待を受けている人)のうち女性は75.2%であり、9割には達していないです。
よって、選択肢の記述は不正解です。
虐待の種類は身体的虐待で67.1%、心理的虐待では39.4%となっています。
よって、選択肢の記述は不正解です。
被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡ以上が72.7%を占めています。
また内訳はランクⅡが最も多く35.2%、ランクⅢが25.1%、ランクⅠが17.6%です。
よって、選択肢の記述は正解です。
ちなみに、認知症高齢者の日常生活自立度とは高齢者の認知症の程度を踏まえた日常生活自立度の程度を表すものであり、9段階にランク分けされています。
今回は「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」の結果に関する問題でした。
高齢者虐待は比較的問われやすいです。
これを機会に高齢者虐待の実際や実情についてはしっかりチェックしておくことをオススメします。
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03
正解は4です。
「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(=高齢者虐待防止法)は平成18年施行された法律です。養護者とは、高齢者の世話をしている家族、親族、同居人を指します。
各選択肢については以下の通りです。
1:虐待者は息子(40.2%)、夫(21.3%)、娘(17.8%)の順に多い。
2:被虐待者の75.2%が女性である。また年齢の内訳は80~84歳が23.5%、75~79歳が21.4%となっています。
3:虐待内容は1位 身体的虐待、2位 心理的虐待、3位 ネグレクトとなっている。
4:被虐待者の認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡが最も多く35.2%、次いでランクⅢが25.1%、ランクⅠが17.6%である。
認知症高齢者の日常生活自立度は9段階に分けられており、ランクⅡは、「日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる」程度であり、たびたび道に迷う、買物や事務作業・金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ、服薬管理ができない、電話の応対や訪問者との対応など一人で留守番ができないなどの困難さが出現している状態です。
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