看護師の過去問 第111回 午後 問57
この過去問の解説 (3件)
免疫グロブリンには、IgG、IgA、IgM、IgEの4種類があります。
その中で、唯一胎盤通過性を持つのはIgGであり、出生直後のIgG値は在胎週数と相関します。
×:誤り
IgAは母体からの移行はなく、出生後に母乳を通じて乳幼児に移行します。
×:誤り
IgDは母体からの移行はなく、血中濃度も非常に低い免疫グロブリンです。
○:正しい
IgGは免疫グロブリンの中で唯一胎盤通過性を持つため、母体由来のIgGは出生時に最も多く存在します。
×:誤り
IgMは母体からの移行はなく、出生後に徐々に産生されます。
今回は「血清免疫グロブリン(抗体)」に関する問題です。
それぞれの選択肢の抗体について確認していきます。
IgAは母乳に含まれる抗体です。
またIgAは新生児が母乳を飲みことで体内で徐々に増加していき、感染症から守る効果があります。
よって、IgAは子供が胎児期には母体から受け取ってないため、不正解です。
IgDは血清免疫グロブリンとしては量的に少なく、血中濃度が非常に低いです。
よって、不正解です。
IgGは胎盤通過性のある抗体であり、胎児期に母体から受け取り、出生時期には高値となります。
よって、正解です。
IgMは出生後から産生される抗体で、血清免疫グロブリンのなかでは出生後に最も早く産生量がピークに達するという特徴があります。
よって、不正解です。
今回は「血清免疫グロブリン(抗体)」に関する問題でした。
抗体は全部で5種類あり、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEに分類されます。
またそれぞれ体内での分布状況や機能が異なりますので、これを機会に特徴を覚えておくことをおすすめします。
正解は3です。
抗体には5種類あり、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEに分類され、体内での分布状況や機能が異なります。特徴を覚えておきましょう。
各選択肢については以下の通りです。
1 :IgA→血液中、腸管、鼻汁、唾液などに存在し、粘膜から細菌が侵入するのを防ぎます。
また、母乳中にも存在し、初乳に多く含まれ新生児の消化管を細菌などから守っています。
2 :IgD→まだ解明が進んでおらず、抗体産生誘導や呼吸器感染防御に関与するという報告があります。
3 :IgG→血液中にもっとも多く分布し、細菌や毒素と結合する力が高く、生体防御の役割を担っています。また、抗体の中で唯一胎盤を通過できる抗体で、母親から胎児に移行して新生児を守ります。
4 :IgM→主に血液中に分布し、病原体が侵入すると最初にB細胞から産生され、感染の初期に働いて生体防御の働きをします。
また、今回選択肢にないIgEは肥満細胞と結合することで、花粉症などのアレルギー反応に関与するとされています。
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